第九十八話 甘い気持ち
本日は、もう一本、20時に投稿予定です!
次の日。僕は、何故か少し早く学校に来てしまった。
「早すぎた……暇だな。」
すると、りおが来た。
「おはよう。ゆうくん。」
「おはよう。」
チョコの感想、言おうと思ってたんだった。
「今日、早くない?」
言い出せずにいると、りおが先に口を開いた。
「うん。たまたま、早く起きれたから。」
「そうなんだ。珍しいね。」
「あの……」
あれ、感想って普通に言って良いよな……
「どうしたの?」
「チョコ……美味しかった。」
「そう、ありがとう。」
これだけじゃ駄目なのか?もっと具体的なこと言ったほうが良いのかな……
「口の中でとろけて、ビターな感じで、好きだったぞ。」
「何よ……急に。褒め過ぎじゃない?」
「駄目か?」
「いや、ダメじゃないけど。」
りおが照れ臭そうに言った。
「なら良いだろ。」
「でも、ひまりには、駄目だよ。」
「何でだ?」
「意外と弱いから、褒められるの。」
「そうなのか……」
「でも、感謝は絶対してね。」
「うん。そうするよ。」
深くは聞かなかったが、ひまりが褒められるの苦手なんて聞いたことないし感じたこと無い。何かあるのかもしれないけど、あまり気にしなかった。
少し後にひまりが登校して来た。目線が合ったのにすぐ逸らされた。喋りかけようとしたが何処かへ行ってしまい、話せなかった。昼休みまで話せず、ひまりもソワソワしていた。
昼休み、いつもは、三人で食べているが、りおは、職員室に行って少し遅れるらしい。ひまりと二人、少し気まずい空気が流れていた。今がチャンスだ。
「ひまり……昨日は、チョコありがとう。美味しかったよ。」
「ほ、ほんと?」
「うん。」
「……良かった。ありがとう。」
この時、ひまりとは、目線が合わなかった。
「頑張ってくれて、嬉しかった。」
「喜んでくれたなら良かった。」
「全部、食べちゃったよ。」
少し驚いて僕を見てきた。
「ほんと?でも、味大丈夫だった?」
「美味しかったよ。」
「ありがと。じゃあ、正直な感想も聞かせて、これからの反省として。」
「……少し甘さが強かったかも。」
「やっぱり?」
「でも、ひまりっぽくて好きだったよ。」
「す、好き!?」
「え、うん。美味しかったよ。」
「ありがとう。次はもっと美味しいの作るね。」
「うん。」
「楽しみにしてるよ。」
ひまりは、良い笑顔をしていた。
「二人ともごめん。待たせちゃって。」
りおが来た。僕の方を見て、微笑んでいた。多分、様子を見ていたんだろうな。まあ、りおもひまりも嬉しそうで良かった。
放課後、多田にあった。
「お、悠太!何個貰ったんだ。」
「チョコか?」
「当たり前だろ。」
「2個……」
「やっぱりか、さすがにあの二人からは貰えるよね。」
「で、多田は?」
「3つだ。どうだ?」
「意外だ。0かと思っていた。」
「おい、俺を舐めてるだろ。」
「で、返事はしたのか?」
「返事?感謝と感想は伝えたけど……」
「え?本命チョコだろ?」
「……そうなのか?」
「いや、俺には分からんな。でも、お前が気づくのは、10年後くらいじゃないか?」
「教えてくれよ。」
「教えるもんじゃねぇよ。それより、お返し何するんだ?」
「考えてなかった……」
「よし!じゃあ、俺とお前で作ろうよ。手作りで。」
「は?」
「料理出来ただろ。」
「少しだけど……」
「ならオッケーだな。じゃあ、また。」
まったく……多田は、僕に話す隙を与えてくれない。でも、その方が僕にとっては、ありがたいかも。確かに、お返し考えないとな……気づいたらホワイトデーだった、なんてことだけは避けたい。いろんなアイデアを考えながら帰った。




