第八十八話 初詣
更新が遅れてしまいすいません。第八十八話です!
次の日、父さんの車に乗って、少し遠くに初詣に行くことになった。
最初は、乗り気じゃなかったが、遠くまで行くなら知り合いに会う確率も少ないし、ばぁちゃんをたまには、遠くへ連れて行ってあげたいと思って行くことにした。
「楽しみだね。ゆうにい。」
横に座っている彩葉がキラキラした目で僕を見てきた。
「今日は、遊園地じゃないぞ。」
「そんな事、分かってるよ!子供じゃないんだから。」
「確かに、春から彩葉も高校生か……」
「そうだよ。」
「変な感じだな。」
「私も大人になっちゃった。」
「まだまだ子供だろ。」
ホゾッと言ったら彩葉に聞こえていた。
「今、なんて言った?」
「何にも……」
「聞こえてるからね。お・と・な、だから。」
言い返すとまた言われるのでとりあえず頷いといた。
気づけば、着いていた。二日でもやっぱり人は多い。
「ゆうにい、そんな嫌そうな顔しないの!」
「してない……」
実際は、してたのかもしれない。人が多い所にわざわざ行くのは好きじゃないし、大きな神社よりこじんまりした所のほうが好きだ。
「行くよ!」
「はいはい。」
結局、人が多いので父さんは、ばぁちゃんと、僕は、彩葉と動くことになった。
「ほい。」
昔の癖だろうか無意識に彩葉に手を差し出していた。
「え?」
気づいた時には遅かった。今からやめますも言いにくいから押し切るしか無いと、何故かその時の僕はそう判断してしまった。
「ほら、はぐれたらダメだろ。」
「子供じゃないって言ったのに……」
と言いつつ彩葉は、僕の手を握った。手は繋いでるのに僕と彩葉の間には、謎の距離が生まれた。
人混みの中を歩いているとあることが聞こえてきた。
「新年からイチャイチャか。」
「良いな〜今年は、俺も彼女欲しい〜」
多分、僕と彩葉の事を言ってるのだろう。彩葉もそれには気づいている。すると、彩葉が僕の手を振り払った。
「何か、変な感じだから……」
その言葉に僕は反応できなかった。拒絶するわけでもなく、笑いに流すわけでもなく……
「そうだな。」
とりあえず同意するくらいしか出来なかった。
「早く、お参りしよ。」
彩葉は、さっきとは調子を変えていつも通りの感じで言った。
「行こうか。」
しばらく並んだ後、お参りを済ませた。僕は、今年も健康で楽しくて平和な一年が送れますようにと願った。
「ゆうにい、早かったね。」
「彩葉が長すぎるんだよ。」
「良いでしょ何でも。」
「何を願ってたんだ?」
「ゆうにいと再会できたことへの感謝と、来年もいっぱいゆうにいたちと遊びたいってお願いした!」
僕の事が多くて驚いた。
「そうか。彩葉なら叶うだろうな。」
「何よそれ。」
「何でも良いだろ。」
「それ、私が言った言葉!」
彩葉が僕を詰めてきた。
「そんなの無いから……」
「ゆうにいは、何てお願いしたの?」
「楽しくて平和な一年でありますように。って。」
「ふ〜ん。ところで、ゆうにいは、ここ覚えてない?」
飽きたのか急に話が変わった。
「この神社の事か?」
「うん。てか、それ以外、何があるのよ。」
「覚えてないな。」
「何でよ!」
「何でって言われてもなあ……」
「昔、来たでしょ。」
「昔?」
「はぐれた日の事だよ。」
僕の中でその日の記憶が蘇ってきた。




