第八十七話 挨拶
更新が遅れてしまいすいません。第八十七話です!
朝になったが彩葉は、寝ているみたいだ。
「昨日、あんなにはしゃいでたからな。」
僕にとっては、嬉しい。起きたら、初詣に行こう!とか言われるから絶対に。初詣は、人が多いし、知ってる人とか同じ学校の人に会いたくないから何日か経ってからいつも行っている。
少し日も登ってきた頃、散歩に行こうとした時、彩葉が起きてきた。
「ゆうにい、どこ行くの?」
「散歩。」
「へ〜。もしかして、初詣?」
「違うよ。」
「じゃあ、彼女のとこ?」
「それは、もっと違うよ!」
「私も、散歩行く。」
僕の一人の時間が……でもあんまり喋る機会も無いし、行きたいみたいだから断ることは出来なかった。
「良いよ。」
「やった〜」
「早く用意して来て。」
「分かった〜」
二人で家を出て、僕はある所に向かって歩いた。
「ゆうにいは、散歩よくするの?」
「いや、たまにだな。気まぐれで。」
前まではよく散歩していたけど、高校に入ってからは、一回もしていないかもな。
「へ〜。で、何処に向かってるの?」
「今日は、知り合いのお家。」
「まさか……」
彩葉が何を言うか分かったので遮って言った。
「違います!」
「何だ、つまんないの。」
「つまんなくて悪かったな。」
「で、何処なの?」
「友達の家。多田っていうやつのところ。」
「ふ〜ん。何か聞いたことあるかもその名前。」
「そうか?とりあえず、歩くぞ。」
二人で歩いていると遊園地のことを思い出す。楽しかったな。今度は、りおやひまりとも行きたいな、そんな事を少し思った。
「ゆうくん、どこでバイトしてるんだっけ。」
「本屋だよ。ここからは、少し遠いかもな。」
「へ〜。忙しいの?」
「時期とか時間にも寄るけど、あんまり人は多くないかな。」
「何でそこにしたの?」
「受かったのがそこだったし、雰囲気も良くて、みんな優しくしてくれるから。」
「良いところなんだね。」
「そうだな。」
今まで僕は、自分は恵まれていないと思っていた。でも振り返ってみれば、十分すぎるほど充実した毎日を過ごしているじゃないか。
「着いたぞ。待っとくか?」
「私も行く。」
「分かった。」
彩葉は、僕の少し後ろに居た。インターホンを押すと多田が出てきた。
「おう、悠太。あけおめだな。」
「そうだな。あけおめだな。」
「今年も挨拶か?律儀な奴だな。」
「お世話になってるからな。」
僕だけでなく、ばぁちゃんも多田の所にはよく世話になっている。
「そうか、上がってい……」
多田が彩葉に気づいた。というか、今まで気付いていなかったことに驚いた。
「悠太……」
「あ〜、気付いてなかったのか?妹の彩葉だ。」
「……妹か!」
多分、多田は至らぬ勘違いをしていたのだろう。
「そうだよ。」
「はじめまして。多田剛です。一応、こいつの友達やらせてもらってます。」
「一応って何だよ……」
「はじめまして。二条彩葉です。」
「よろしくな。何て呼んだらいい?」
「彩葉でお願いします。」
「彩葉な。オッケー。俺は、多田でも剛でも何でも良いぞ。」
「じゃあ、剛君で。」
「お〜意外だ。悠太は、多田って呼んでるからまさか下の名前で呼ばれるなんて思ってなかった。」
「ダメでしたか?」
「全然、良いよ。悠太と違って何か新鮮だったから。」
「確かに、ゆうにいは、そういう感じだからね。」
「ゆうにい?」
「はい。お兄ちゃんのことです。」
多田が悪い笑顔で僕を見てくる。
「二人揃って、僕の悪口か?」
「違うよ。ゆうにい。」
「悠太、そういう所がお前の良いところだぞ。」
多田に丸く納められたが何だか不意に落ちなかった。
その後、多田の親族にも挨拶を済ませて、僕と彩葉は、家に帰った。帰り道、彩葉は、ずっと上機嫌だった。




