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第八十六話 来年は今年も

更新が遅れてしまいすいません。第八十六話です!

 大晦日になり、今年もいよいよ終わる。今年が終わるからと言って何か特別な予定があるとかでは、なかったのだが……


「ゆうにい〜来たよ〜」

「彩葉か……って彩葉!?」

「何でそんなに驚いてるの?」

「だって年末に帰省なんてした事なかっただろ。」

「お父さんが暇で連れて行ってくれるから来たの。あとは、来たかったから……」

「ここに来たいとかあるか?」

「あるのよ!来年から住むつもりだし。」

「勉強は、出来てるのか?」

「うん。いい感じ。」

 そんな事を話してたら父さんが来た。

「久しぶりだな。」

「うん。父さんが暇なんて珍しいけど。」

「そうだな。来年から海外に行くから、こっちの仕事は、大体終わって時間があるんだ。」

「でも、何でこの家に?」

「実家だからな。海外行く前に来たかったから。あとは、彩葉も来たいみたいだったし。」

「そうなんだ。」

「あんまり長くは居ないぞ。明後日には、帰ろうかと。まあ、そんな感じだ。」

「分かった。」

 そんな、父さんの表情は、前よりどこか柔らかくなった気がする。短い間だが、父さんと彩葉と一緒にいられるのは素直に嬉しかった。


「ゆうにい。私の部屋どこ?」

「彩葉の部屋は、ここの予定だ。掃除はしといたぞ。」

「ありがとう。」

 彩葉は、そう言って部屋の扉を開けた。

「この部屋に住むんだ〜」

「今は、何もないけど好きなようにしてくれたらいいから。でも、うるさくは、するなよ。」

「うん!」

 満面の笑みで彩葉が返事した。掃除した甲斐があったと思えた。

「隣の部屋は?」

「こっちは、僕の部屋。奥は、空き部屋で荷物置きになってる。」

「ゆうにいの部屋、見ていい?」

「良いけど。」

「結構、綺麗だね。」

「僕を何だと思ってるんだ……」

「ふ〜ん。色んなものあるね。」

「ジロジロ見すぎだろ……」

 妹とはいえ女の子が自分の部屋にいるのは、変な感覚だ。これがりおかひまりだったらドキドキするとか言う程度では済まされないだろう。

「はい。もう終わり。」

「え〜、まだ居たかった。」

「何だよそれ。」

 彩葉を部屋から引っ張り出した。最初は、抵抗していたが、最後にはおとなしくなっていた。


 夜になり、いよいよ一年の終わりが近づいてきた。みんなでリビングでダラダラしている。

「ゆうにい、もうすぐ年越しだよ。」

「そうだな。」

「来年が楽しみだな〜」

「こういうときは、今年を振り返るんじゃないのか。」

「違うの!来年を楽しみに想像するの。充実した青春。楽しい毎日。バイトもしようかな?」

「凄い想像力だな。」

「想像する分には、自由だから。」

 彩葉は、高校でもやっていけそうだし、友達もたくさんできそうだな。この家が賑やかになりそうな予感がする。

「あとは、ゆうにいの彼女たちにも会いたいな〜」

 その言葉を聞いて思わずむせた。

「彼女って何だ!?友達な。」

「ほんとにそうなの〜?」

「そうだよ。」

「怪しいから調査しないと。」

「まったく。」

 彩葉とあの二人は、会わせると大変な事になりそうだ。

「でも来年は、みんなで青春したいね!」

 彩葉が急にそんな事を言って驚いた。

「みんなで、か……そうだなみんなでだな。」

 来年もきっと良い年になるだろう。僕も楽しい想像を膨らませて年越しの瞬間を迎えた。


 鐘がなった瞬間、彩葉が元気に言った。

「あけおめ〜」

「あけおめだな。」

 スマホを見ると、りおとひまりから連絡が来てた。

「今年も、みんなで青春しよう。」

「ゆうにい、急にそんな事言ってどうしたの!?」

 ツッコまれて恥ずかしくなった。

「良いだろ何でも。」

「良くないよ。スマホで何を見たの!?見せて、見せて!」

 新年早々から彩葉と言い合った。今年も良い年に出来るのだろうか不安なスタートだ……

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