第八十四話 イルミネーションと雪
しばらく更新できず、楽しみに待っていてくださった方々、本当に申し訳ありませんでした。
今日からまた更新していく予定です! 毎日更新できるかは分かりませんが、なるべく20時に投稿できるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします!
誰かに頬を突かれている。もう朝なのか……何か早くないか……そういえば昨日は大変だったな。
「あ!」
りおの家にいることを思い出して、飛び起きるように目覚めた。ぼんやりとした目で周りを見ると、りおとひまりが居た。
「はい。りおの負け〜」
「ゆうくん、何で今起きるのよ。寝ときなさいよ。」
二人が何の話をしているのか、目覚めたばかりの僕には、理解できなかった。二人が話している隙に、僕はもう一度布団の中に潜り込んだ。
「痛っ!」
二人に布団の上から叩かれた。
「いつまで寝るのよ。」
「もうお昼だよ!ゆうくん!」
「起きてるから!」
そんな事で許されるはずもなく、終わらず叩かれた。
「痛っ!」
「だから起きてってば。」
その言葉が懐かしい気がした。
「彩葉か?」
「何言ってるの?ひまりだよ。寝ぼけてるの?」
「悪い悪い。起きるから。」
この状況、よく考えたらやばかったかもな。寝ぼけていて良かったと安心した。
昼ご飯を食べて、みんなゴロゴロしていた。そんな雰囲気が僕には、心地よかった。
「なんか、良いな……」
「何が良いのよ。」
りおが隣に座って言った。
「居たのか。」
「私の家だからね……」
「良いなこの家。落ち着くよ。」
「それは、どうも。でも、帰ってもらうからね。」
「ずっとは、居るつもり無いよ。」
「ふ〜ん。そうなんだ。」
「何だよ……その反応。」
「何でも良いでしょ。」
「で、今日は、何するんだ。」
「今日は、夜に出かけるの。」
「そうなんだ……」
「みんなで。」
「みんなで!?」
「うん。当たり前だよ。四人でイルミネーション行くの。」
イルミネーションを目的に出かけたことなんて無いな……でも、楽しそうだな。
「それは、楽しみだな。」
「お母さん帰ってきてから行くからね。それまでみんなで遊ぼ。」
「遊ぶ遊ぶ!」
ひまりがこっちを見て言った。
「遊ぶって聞こえたときの反応速度はや。」
「遊ぶのは、私の専門だからね。」
「まったくもっと他の才能を……」
「余計なこと言ってないで早く遊ぼ!」
三人で楽しく遊んでいたら、あっという間に夜になっていた。
「ただいま〜」
美桜さんが帰ってきた。
「じゃあ、準備しようか。」
「張り切るぞ〜」
ひまりは、そう言って準備をし始めた。
四人で家を出て、街へ向かった。僕が浮いてるんじゃないかと思うくらい、りおとひまり、美桜さんも綺麗で見惚れてしまう。
「着いたよ。」
隣に居た、りおが言った。
「何で私を見てるのよ。」
「あ〜ごめん。」
「イルミネーションを見に来たんでしょ。」
街に目線をやった僕は、固まった。その時、雪が振ってきて、映画の中に居るような気分だった。
「凄いな……」
「綺麗だね。」
りおが落ち着いた声で言う。
「雪振ってきた!」
りおとは対照的にひまりは、はしゃいでいる。
「三人が映えるね。」
美桜さんは、僕たちを見て満足そうだ。雪の柔らかい音が聞こえそうなほど、しばらく四人とも静かだった。
その静かな時間の中で今年の思い出が蘇ってきた。
「やっぱり楽しかったな……」
そんな声が漏れた。
「何でそんな悲しそうなの?」
ひまりに聞かれていた。
「聞こえてたのか。」
「また、来年もみんなで来ようね。彩葉ちゃんも。」
ひまりのその言葉が嬉しかった。
「……うん。」
涙を抑えた、弱い声で返事をした。隣を見るとひまりは、居なかった。
「……あれ?」
何処行ったんだ……
「おりゃ!」
「冷たっ。」
ひまりが小さな雪玉を当ててきた。
「良くもやったな。」
「ゆうくん、掛かってきなよ。」
「容赦しないからな〜」
その後、涙のことなんて一切忘れて、ひまりと雪の中で遊び続けた。




