第八十一話 クリスマスケーキ
戻ると、りおとひまりが音楽を流しながら踊っていた。
「何してるの?二人とも。」
美桜さんがそう言うと二人は、焦って踊りをやめた。
「帰ってきてたの!?ゆうくんも!?いつから!?」
「ついさっきだけど……」
僕がそう答えるとりおは、顔を赤くした。
「今のは、見なかったことにして。」
「それは、無理があるだろ……」
「りっちゃん、さっきまでノリノリだったのに……」
ひまりが悲しそうに言った。
「じゃあ、みんなで踊ろうよ!」
美桜さんが言った。
「え!?」
りおは、驚いた反応をした後、少し嫌そうだがリズムに乗り出した。僕も体が勝手に動いていた。
「楽しかったね。」
ひまりは、満面の笑みで言った。
「僕は、ヘトヘトだよ。」
「ゆうくん、動けなさすぎ。」
りおにそう言われた。全くその通りだ。いや、他の三人が元気すぎる。
「で、ゆうくん泊まるの?」
ひまりが顔を近づけて聞いてきた。
「うん。お風呂も済ましてきた。」
「やった〜」
「もっと楽しくなるね。」
「うん!これで恋バナが百倍盛り上がるね、りっちゃん!」
「今日も恋バナするの!?」
「泊まるときいつもしてるでしょ。」
「そうだけど……ゆうくん居るよ?」
「あ、そうだった。」
二人は、僕のほうを見てきた。少し申し訳ない気もしたが、正直ちょっと聞いてみたい気もした。
美桜さんが僕たちを呼んだ。
「みんな、ケーキ食べよ。」
「ケーキあるの!?」
早速、ひまりが食いついた。僕は、少し身構えた。
「もしかして、また作るとかでは……」
「ゆうちゃん、大丈夫!今日は、買ってきたから。」
「買ってきたのは、私だけどね。」
「りお、ありがとね。」
「まあ、お母さんが行ったら、買いすぎるからね。」
りおの言葉を聞いて、簡単に想像できた。
美桜さんがケーキを持ってきた。大きなフルーツケーキだった。
「凄い!美味しそう。」
ひまりの口が空いたままだ。
「前、チョコ食べたからフルーツで良いでしょ。」
「流石だな、りお。」
「お母さんだったら何も考えず美味しそうなの買ってくるでしょ。」
「私も頭が冴えるときは、あるよ。」
美桜さんが自信満々に言った。
「ほんと〜?」
りおは、信じていない様子だった。だけど、僕は少しだけそうは思わなかった。
「食べていい?」
ひまりが待ちくたびれてそう言った。
「じゃあ食べようか。」
「「「「メリークリスマス」」」」
みんなでケーキを美味しく食べた。大きかったのに気づけば無くなっていたし、気づけば美桜さんがお酒を飲んで酔っていた。
「美味しかったね。みんな。」
美桜さんがひまりに抱きつきながら言う。
「美味しかったよ、美桜っち。」
ひまりは、戸惑いながら言った。
「お母さん、離れなさいよ。」
「じゃあ、ゆうちゃんならいい?」
僕は、咄嗟に逃げた。僕なら良いわけ無いだろ。
「良いわけ無いでしょ。」
りおは、僕の思ってたことを言った。
「じゃあ、みんなで遊ぼ!」
この後、みんなで酔った美桜さんの相手をするのであった。




