第七十七話 退屈しない毎日
今日で全てのテストが返却された。さっそく、ひまりの元へ向かうと、りおもいた。
「ひまりどうだった?」
僕がそう聞くと、緊迫した空気が流れた。
「赤点は…………ありません!」
僕は、りおと顔を見合わせた。
「ひまり良かったね。」
「ほんとか、よくやった!頑張った!」
「ゆうくんのおかげだよ。りっちゃんもありがと。」
「ゆうくん、どんな教え方したの?」
りおにそう聞かれた。
「僕は、大して何も……ひまりが頑張ってたから。」
「これで冬休み補習なしで遊べるね!」
ひまりは、元気な声で言った。
「いや、頼むから勉強してくれ。」
「え〜」
「痛い目、見る前にやるぞ。」
「はい。」
さっきまでの元気さは、どこに行ったのだろうか……
今日は、二学期最終日。
「明日から冬休みだ〜」
「二学期も忙しかったね。」
「僕は、疲れたけど楽しかった。」
「打ち上げ行かない?」
ひまりが言った。
「断る理由は、もちろんないよ。」
りおは、行く気みたいだ。
「ゆうくんもだよ。」
「お、うん。」
学校が終わり、三人でファミレスに行った。
「りっちゃん、ゆうくん、冬休み、始まったんだよ!?」
「元気だな、ひまりは。」
「そうね。子供みたい。」
「りっちゃん、それは、言わない約束でしょ。」
そんな事を喋っていると、料理が来て、食べ始めた。
思えば、二学期は、あっという間だった気がする。二人と居ると、退屈する暇なんて無かった。むしろ、毎回振り回されて疲れるくらいだ。たまには、こんな平凡な日を三人で過ごすのも良いかも知れない。
「うゎぁ!」
急にひまりが声を出した。何かと思えば、ジュースを溢していた。
「何してるのよ、ひまり。動かないでね。」
りおがそう言って、テーブルの上を拭いた。
「ごめん、りっちゃん。」
「まったくだな。」
やっぱり、この二人と居ると退屈することはないかもしれないと思った。
「冬休み、何する?」
ひまりの話は、冬休みばかりだ。
「ほんと、冬休みの事にしか頭にないのね。」
りおが僕が思ってたことを代弁してくれた。
「良いでしょ。楽しまないと。まずは、クリスマス?それに、年越し?初詣!」
ひまりは、何を言われても冬休みのことだけらしい。
「私は、年末に帰省するから、その時は会えないかも。」
「そうなんだ……」
「ゆうくんは?」
「特にないな……」
「じゃあ遊べるね!」
何故だか、りおは、少し悲しそうな顔をしていた。
「りおも帰ってきたら初遊びしような。」
「何、心配してくれてるの?大丈夫よ。ありがと。」
どうやらそう言うのでは無かったみたいだ。
「クリスマスはどうする?」
ひまりは、次々と話題を出す。
「クリスマスは、また遊ぶか?」
「お母さんが来て欲しいって言ってたけど……」
「りっちゃん本当!?」
「うん……」
「じゃありっちゃんの家でまたパーティだね。」
「ゆうくん、プレゼントは、大丈夫。貰ったからね。」
「うん。分かった。」
「パーティを楽しもう!でも、それだけじゃ前と一緒だからな……そうだお泊りは!」
「「お泊り!?」」
僕もりおも声を揃えて驚いた。また、退屈ではない日常が始まろうとしていた。




