第七十六話 甘い夜
二人が盛り上がっているのを見て、僕は、喜んでもらって嬉しかった。
僕は一人、窓の外の月を見て、サプライズとプレゼントが上手くいって良かったと、安心して力が抜けていた。
「ゆうくん?」
「うわっ!」
「ごめん。驚かすつもりは無かったんだけど……」
後ろにりおが居た。
「どうしたんだ?」
「ケーキ食べるから呼びに来たの。」
「分かった。今行くよ……」
「待って!」
りおが僕を呼び止めた。
「何だ?」
「プレゼントありがとう。」
「何だそんなことか。良いよ。」
「まだある……昨日、駅前の雑貨屋に居たよね?」
バレていたのか……いや、確信ではない。なら誤魔化そう。
「……気のせいじゃないか?」
「そ……そう?なら勘違いだったのかな……」
りおはそう言いながら去っていった。
「あぶねぇ……多田にキツく言っといてやろう。」
「ガトーショコラ良い感じだよ〜」
美桜さんがハイテンションで準備をしていた。
「美味しそう!」
ひまりは、目を輝かせている。
「まだ食べないでね。」
りおがそれを止めている。
「ゆうちゃんも最後、手伝って。」
「は……はい。」
美桜さんに言われて準備をした。
「よし!やるよ!」
美桜さんがそう言って、電気を消した。そして、歌い始めた。僕も歌って、終わるとりおとひまりがろうそくの火を消した。
「「誕生日おめでとう!」」
「ありがとう。」
「ありがとう。食べていい?」
「食べることしか考えてないじゃないか。」
僕がそう言うとムッとした顔でひまりが言った。
「悪い?……早く、食べたいの!」
そんな顔に僕は少し胸がきゅっとなった。
美桜さんが取り分けてくれた。
「いただきま〜す。」
ひまりが早速、食べ始めた。
「う〜ん。美味しい!」
「いただきます。」
僕も一口食べた。
「美味しい。これ本当に僕たちが作ったのか?」
感動よりも驚きが大きかった。
「そんなに美味しいの?私も食べよ。いただきます。」
りおもそう言って、一口食べた。
「美味しい。良く出来てる。」
「でしょ、やっぱ私のおかげね。」
「ひまりは何も……」
「ゆうくん!」
ひまりに目線で圧をかけられた。
「ひまりのおかげです……」
そんな僕たちを見て、美桜さんは、笑っていた。ふと、美桜さんが今日、おとなしいと思った。そういえば、ご飯の時にお酒を飲んでいたけど、それで逆におとなしくなっているのか?
ガトーショコラを食べ終えた後、四人でカードゲームをして盛り上がっていると、
「ねぇ、りおとひまりちゃんは、ゆうちゃんのこと好きなの?」
急な発言に僕は、固まってしまった。
「お母さん!急に何言うの!?」
「え、えへへ。」
「美桜っちよりは、好きです〜」
ひまりは、冗談交じりにそう言った。僕は、正気に戻り言った。
「美桜さん、落ち着いて下さい。二人は、最高の友達です。」
「あら、そうなのね。でも、やっぱり……」
「お母さん!もういいから!」
「りおもひまりちゃんも顔赤くない?」
僕は、ドキッとしてい言った。
「もしかして!間違えてお酒、飲んじゃったんですか!?」
「そんなわけないでしょ。」
慌てた僕と酔った美桜さんの二人は、りおとひまりに落ち着かされたのであった。




