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第七十一話 鈍感

更新が遅れてしまいすいません。第七十一話です!

「これバレてないのか?」

「大丈夫。変装してるから。」

 さっき、多田が急いでマスクを買ってきた。

「反対側に行くぞ。」

「え!?まじか……」

 りおとひまりが見ている棚の反対側に向かった。

「自然に振る舞えよ。」

「自然って、この状況が不自然すぎるんだが……」

「良いんだよ何でも。」

 コソコソしてると、りおがこっちを見てきた。

「まずい!」

 僕は、多田と一緒に急いで下に隠れた。

「バレたのか?」

「分からないけど、もう動かない方が良いかもな。」

「お前のために頑張りたいけどストーカーがバレたら一発で終わるからな。」

「ストーカーしてた自覚は、あったのか……」

「それより、何か話してるぞ。」

 多田がそう言って、僕らは、二人の会話に耳を傾けながらついて行った。



 

「りっちゃんどうしたの?」

「何でもないよ?」

「そう。それよりこれ見て、可愛くない?」

「木彫りのカエル?」

「そうこのカエルちゃん。」

「ひまりは、すぐ可愛いって言うんだから。」

「だってこれ可愛いんだもん。これ、飾りにちょうど良くない?」

「欲しいだけでしょ……」

「うっ、バレた?」

「まったく、何でも欲しいんだから……子供みたいで可愛いけど……」

「子供じゃないから!」

「はいはい。で、クリスマスの飾り見に来たからちゃんと探してね。」

「このお店、可愛い物多いよね。」

「確かに、悩んじゃうね。」

「これ、りっちゃんに似合いそうじゃない?」

「そうかな?って、クリスマスの飾りを探しに来たのに、そんな事ばっかしてたら、決まらないでしょ。」

「じゃあ、サクッと決めよう!」




 僕と多田は、そんな会話を聞いていた。

「行ったぞ。着いていくか?」

「いや、良いよ。十分情報は得られたし、りおには勘付かれそうだから。」

「そうか。悪かったな、強引に言って、後をつけて。」

「全然。何か普段やらないことだからワクワクしたよ。」

「ありがとうな悠太。でも、今回限りだからな。後をつけるのもプレゼント選び手伝うのも。」

「え?」

「え、じゃねぇよ。二人の話聞いて分かっただろ。二人とも何でも好きだし、お前から貰ったら嬉しいだろ。」

「そうかな。」

「自信持てよ。あの二人、仲良かっただろ。二人の中で一番好きなものは、きっと……友達なんだよ。お前も鈍い男のままじゃ大切な事に気付かずに高校終わるぞ。」

 多田の言葉に僕は気付かされた。大切なのは、プレゼントの内容なんかじゃない。二人への気持ち、今までのたくさんの思い出を忘れないようにするために……そして、これからの思い出を忘れないものにするために……


 次の日の朝。何故か朝早くに目が覚めてしまった。

「あんた、起きるの早くない?」

 ばぁちゃんにそうツッコまれた。

「何か眠くなくてな。」

「珍しいね、いつもは、昼過ぎまで寝てるのに。」

「今日は、予定があるからな。」

「あ〜誕生日会するやつ?午後からじゃないの?」

「落ち着かないんだよ。」

「あの二人、良い子たちだね。」

「そ、そうか?」

「多田くんしかあんたの友達見たこと無かったから嬉しいよ。」

 ばぁちゃんの口から聞いたことのない言葉に驚いた。

「反応に困るな……」

「頑張りなさいよ。」

 そう言って、ばぁちゃんは、どっかに行った。

「何をだよ……」

 僕は、その言葉の意味は、分からなかったがばぁちゃんも楽しそうで良かった。美桜さんとも気が合ってたみたいだし……

「てか、鈍い男ってこういう所か?」

 ふと、多田からの言葉を思い出し、僕はまた自分のことで悩むのであった。

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