第六十九話 先輩後輩
テスト初日。教室に入ると、朝早いのに、教室には結構な人がいた。ひまりも座っていて、真剣な目でノートを見ていたので挨拶するのはやめておいた。
一日目のテストが終わり、ひまりとりおと帰った。
「明日も頑張ろうね。」
りおが言った。
「そうだな。頑張ろう。」
「も〜あと、三日もテストあるのか〜。」
ひまりは、嫌そうにそう言った。
「終わったら冬休みだから頑張りなさいよ。」
「そうだね、りっちゃん。あと三日、頑張ろう!」
「あ〜、やっと終わった〜。」
テストが終わり、ひまりは力が抜けたように、机に張り付いていた。
「ひまり、ヘロヘロじゃないか。」
「もう、しばらく勉強は、やらない!」
「普段からやってたらこんな事には……」
「ゆうくん、何か言った?」
ひまりが顔を近づけて詰めてくる。
「何も……言ってません。」
「そうだよね。勉強は、しばらくお預けかな。冬休みは、遊ぼう!」
「遊んでしかいないのでは……」
「ゆうくん、また何か言った?」
また、顔を近づけて詰めてきたがそれは、もう僕には効かない。
「ひまり、冬休みは勉強もするぞ。教えてやるから。」
ひまりのおでこに軽くデコピンした。
「痛っ。くぅ〜嫌だけど、ゆうくんが教えてくれるならやろうかな。」
「決まりだな。」
そんな事、話しているとりおも来た。
「二人ともお疲れ様。」
「りっちゃん、お疲れー。」
「お疲れ。」
「何か二人とも楽しそうじゃない?距離も近かったし。」
りおがニヤニヤしながら聞いてきた。
「そ、そうかな?」
詰まった声でひまりが言った。
「ゆうくんの家で何かしたのかな〜?」
僕の方を見て、笑ってない笑顔で聞いてくる。
「勉強しただけだよ。」
「そ……そうだよ。勉強会だもん。何言っちゃってるのりっちゃん。」
「ひまり、今日はよく喋るね?」
「テスト終わって、伸び伸びしてるのかな〜?」
「何?その誤魔化しかた……」
「誤魔化してないよ!」
「まあ、何でも良いけど。」
りおは、それ以上、何も聞いてこなかった。
「で、誕生日会やるからね。日曜日!」
りおは、切り替えて言った。
「りおの家だっけ?」
「うん。お節介なお母さんもいるから……」
「そうだね。」
りおの言ったことに納得して、納得して、思わず反応してしまった。
「私は、もう十六歳だけどね。りっちゃんは、まだだからこの中では、一番後輩だね。」
「ひまりは、私とほとんど変わらないでしょ。」
「りっちゃんは、可愛い後輩だよ。」
「ひまりの方が子供だけどね。」
「子供じゃない!」
「二人とも落ち着いて。先輩からのお願い。」
そう言うと、りおもひまりも僕のほうを見た。
「ゆうくんは、黙ってて!」
「ゆうくんが先輩だと思ったことないから!」
「ひぇ〜。」
先輩の僕に入る隙は無かったみたいだ。僕は、一人で教室を出て、多田の所へ向かった。ある相談をしに……




