第六十六話 赤点回避
十二月になり、季節が変わり、教室の空気も変わった。いろんなことがあった一年だったけど、僕の中では、楽しい良い一年になった気がする。
「ゆうくん、何か考えてるの?」
ひまりが来て、そう言った。
「今年一年、良かったな〜って顔してるね。」
僕が言葉を返す前に、りおが言ってきた。僕の心は、見透かされてるのかと思う言葉で驚いた。
「いや……そんなことは。」
「当たってるでしょ。」
「なんで分かるんだよ……」
「まだ終わってないでしょ今年は!」
ひまりが良いタイミングで言ってくれた。
「そう?」
りおが聞き返した。
「クリスマスとか年末とか、私たちの誕生日とか!」
「確かに。」
僕は、誕生日会の事をすっかり忘れていた。
「そういえば、誕生日会っていつやるんだ?」
「テスト終わった日曜日に予定してるよ。うちのお母さん気合入ってるから。」
「凄いことになりそうな……そうとなれば、勉強しっかりやるか。」
「赤点取らないようにしないと!?」
「ひまり、大丈夫なの?」
りおがひまりに聞くと食い気味に言った。
「全然!?大丈夫じゃない。助けてよ。文化祭で大変だったし勉強してないから……」
「文化祭無くても、勉強してないだろ……」
「それはそうかも……けど、お願い、ゆうくん。」
「僕!?」
「だって、りっちゃんスパルタだから……」
「それくらいしないと間に合わないからだよ。」
「分かった。」
「やった〜。ありがとう。」
引き受けて良かったのだろうか。その日から、学校で勉強することになった。りおもたまに来たけど基本は、ひまりと二人で勉強した。
金曜日学校が終わり、ひまりと少し勉強していた。
「一週間、疲れた〜。」
「頑張ったな、ひまり。」
「テスト来週だね。」
「そうだな。土日も頑張れるか?」
「頑張らないといけないから!」
ひまりが頑張ってる姿を見てると、僕に何かできることがないか、助けになりたいと思った。
「土日、家に来て勉強するか?」
「え!?良いの!?」
「まあ……良いけど。」
「でも、ゆうくんも勉強しないと。」
「僕は良いよ。普段から少しはやってるから。」
「なら、行こうかな?りっちゃんは、誘うの?」
「確かに一回、誘ってみるか。」
りおを誘ったが今回は、見送ると返ってきた。
「来ないみたいだ。」
「そうなんだ……」
「今日は、もう解散するか。バイバイ。」
「じゃあね、ゆうくん。」
土日、ひまりと二人で僕の家で勉強する事になった。
「いきなり、やり過ぎてるかこれ?」
僕は、一人でそう考えたが、ただ勉強するだけだから、そう思い込んで気持ちを落ち着かせて寝た。
次の日の朝、ひまりが家に来た。今まで、見たことのないオシャレで可愛いらしい服を着ていて、思わず声が出た。
「可愛い……」
「何か言った?」
ひまりが恥ずかしそうに言った。僕は、誤魔化して、先にリビングに向かった。今日の勉強会を何事なく終えれるのだろうか、不安になった。




