第六十二話 これからも
今日から、学校だ。今年の行事は終わり、あとは、期末考査くらいだ。また勉強の日々が始まると思うと、学校への足取りが重く感じる。
「ゆうくん、おはよう!」
学校に着くとひまりが元気よく挨拶してきた。
「おはよう。」
「ゆうくん、まだ疲れてるの?」
「まあ……少しな。」
「頑張ってたもんね。」
「それは、ひまりもだろ。」
「そう?私は、もう元気いっぱいだけど。」
「凄いな……」
「で、ゆうくん。今日は、あれがあるよね?」
何のことだろうか。
「分からないの?」
「あーっと、うーん。」
「発表だよ。文化祭グランプリの!」
「あー。そうだったな。」
この学校には、文化祭にグランプリがあるらしい。出し物と発表の最優秀賞と優秀賞。全体のグランプリと準グランプリが発表されるみたいだ。
「放課後にあるらしいから楽しみだね。」
「賞、取れてたら良いな……」
僕は、発表を楽しみに、授業中、寝ずに頑張った。
放課後になり、りおとひまりで発表場所に行った。どうやら掲示板に張り出されるらしいが人がいっぱいいて見えそうにない。
「張り出すと同時に口頭でも言いまーす。」
係の人も大変そうだ。それにしても、結構な人が注目してるな。発表の時が近づいてきた。
「ゆうくん、どうかな?」
ひまりにそう聞かれた。
「まあ、取れたら良いかなくらいの感じで待とうかな。」
りおが僕の方を見て、笑って言った。
「ゆうくんらしいね。自信ない感じが。」
「自信が無いわけじゃないぞ。ただ、期待しすぎてもだしな。」
「そうね。」
「二人とも!もっとお願いしないと!」
お願いして変わるのか?僕は、そう思ったが隣でりおもお願いしていた。
「りおもか!?」
「やってないのゆうくんだけだよ。」
りおにそう言われて、僕も手を合わせた。ひまりは、満足そうな顔をして笑っていた。
「やっぱり二人といると楽しっ!」
ひまりが今まで見たことないくらいのいい笑顔で言った。僕は、その姿が眩しくて、直視出来なかった。その言葉に反応する前に、発表が始まった。
「今から発表を始めます!まず、出し物部門、優秀賞は、三年三組のメイド喫茶!最優秀賞は、一年二組のお化け屋敷です!」
そう言われて、僕は驚いて反応できなかった。
「やったー。ゆうくん、最優秀賞だよ!」
「良かったね、二人とも。」
「あぁ、ありがとう。」
僕は、高ぶった気持ちを抑えて、発表を聞いた。
「続いては、発表部門です……」
ここでは、りおのグループは、呼ばれなかった。
「最後に総合表彰です。準グランプリは、一年二組のお化け屋敷です!そして、グランプリは、バンドグループAM一時です!」
流石に高ぶった気持ちを抑えられなくなった。
「嘘!?準グランプリ!?」
ひまりは、驚いていた。
「本当に!?やったね?」
珍しくりおも驚いていた。僕は、言葉よりも先に、なぜか涙が出てきた。
「「ゆうくん?」」
二人が僕を見てくる。恥ずかしくて涙を拭い、言った。
「いや、嬉し涙って出るんだな。二人とも本当にありがとう!」
「ゆうくんのおかげだよ。」
「うちらは、やっぱり最高だね。」
「りお!ひまり!二人のおかげでここまで成長出来た。だから――これからも一緒に居てくれないか?」
「馬鹿……何を言い出すかと思ったらそんなこと?」
「ゆうくんらしいね。」
りおとひまりは、顔を見合って笑った。
「返事は、一つに決まってるでしょ。いいよ。」
りおがそう言うと、ひまりも続いて言った。
「ゆうくん!もちろんいいよ!」
僕は、嬉しかった。それ以下でも以上でもない。
「てか、ゆうくん、返事分かってたでしょ?しかも、結構、恥ずかしいこと言ってたよねー。」
りおにそう言われて、我に帰った。二人にしばらくいじられて、僕は、顔を合わせられなかった。




