第六十一話 再会と別れ
※本日2話目です。
「で、ゆうにい。聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだ?」
僕はそう言ったが何となく察しがつく。
「文化祭の時、受付に一緒にいた子、仲良いの?」
予想通りの質問だった。
「そうか?どうだろうな。」
「教えて、ゆうにい。じゃないと覗いたこと言うよ。」
「あれは、事故だろ。」
「それで良いのかな?」
「あー。もうー分かったよ。」
「じゃあ聞かせてくれるかしら。」
「そこそこ仲良くてな、一緒に遊んだりもした。」
「本当に!?もしかして、彼女?」
「違うよ。あともう一人も居てな、その三人で遊んでるんだ。」
「二股!?」
「何でそうなるんだよ。」
彩葉は、僕が転校してからのことは、あまり知らない。だから僕に友達が居ることに違和感は持たないみたいだ。
「でも、楽しそうだったね。」
「そうかもな。ていうか、何で文化祭来たんだ?」
「やっぱ高校の雰囲気見とかないとね。あと、勉強の息抜きにもなるから。」
「先に言ってくれたら良かったのに。」
「いや、ゆうにいがどんな感じか見ようと。」
「それだけが狙いだろ……」
「でも、その二人と会ってみたいな……楽しそうだし。」
「それは、入学してからだな。」
りおは知っているが、ひまりは、僕に妹が居ることを知らないからな。
「えー。」
「まずは、入れるように頑張れよ。」
「そうだね。でも、ゆうにいが楽しそうで本当に良かったよ。安心したし、あの子なら大丈夫だね。」
「急にどうしたんだ?」
「いや、何でもないよ。」
彩葉の言葉の真意は分からなかったがどこか寂しい雰囲気が彩葉から出ていた。僕は、そんな彩葉の手を握った。
「彩葉も文化祭楽しかったか?」
「うん、楽しかった。けど……この手なに?」
「いや特に理由は……ないけど……」
「さっき、私の体、見て触りたくなったの?変態!」
「違うよ。」
「ていうか、胸の当たり見てたよね。受付のあの子と比べてるの?」
「だから……違うって。」
「まったく、ほんとに、もう……」
「それは、こっちのセリフなんだが。」
僕は、疲れていることも忘れて、しばらく言い合いを続けた。
次の日、僕は昼過ぎまで爆睡していた。起きると、彩葉がもう帰る用意をしていた。
「もう帰るのか?」
「まぁね。勉強もあるし。」
「気をつけて帰れよ。」
「ありがとう、いい息抜きになった。」
「それは、良かった。春休み待ってるからな。」
「バイバイ。」
「バイバイ。」
そう言って、彩葉は、帰っていった。彩葉が帰ったあと、少しだけ寂しさが残った。部屋に戻ると、アルバムが目に入った。
「そういえば、また見せる機会逃したな……」
また会えるときに、取っておこうか。
しばらくして、僕は、全てからようやく解き放たれた感覚がして、全身の力が抜けていった。
「今日は、もうダラダラしよう。」
久しぶりに、だらしない一日を思う存分満喫した。




