第五十八話 熱い
聞き慣れた声のほうを向くと。
「そうだよな……」
「どうしたのゆうくん?」
りおの言葉に反応できないほど驚いていた。目線の先には、こっちに近づいて来る、妹の彩葉がいる。横には、中学校の友達が居るみたいだ。
「ゆうくん?」
「ごめん。ちょっとボーッとしてた。」
「大丈夫?」
「大丈夫。最後頑張ろうか。」
彩葉たちが来た。
「こんにちは。今って入れますか?」
りおがすぐに対応してくれた。
「今は、十分くらい待ってもらってるね。」
「分かりました。待ちます。」
「はい。こちらが整理券です。」
十分間、僕はずっと緊張していた。なぜか分からないが身体が熱かった。
その後、彩葉たちは、お化け屋敷を楽しんで他のところへ行った。僕は、安心した。だけど、少し気になってその後の業務に集中出来ないでいた。
「ゆうくん、大丈夫?」
「大丈夫。」
「ほんとに?あの中学生の子たち来てからおかしくない?」
「気のせいじゃないか。」
「そう?体調が大丈夫ならいいんだけど……」
りおは、嫌になるくらい勘が良い。僕は、探られないように、なんとかやり過ごした。
その後は、何も起こらず最後まで終わった。
「今入ってる人でラスト?」
「うん。」
「よっしゃー。もう、無理疲れた。」
「ゆうくん、お疲れ様。」
最後の人も出ていき、すぐに中のみんなに伝えた。
「みんな!今ので終わりましたー。」
「ほんと!?倒れるかと思ったー。」
ひまりが倒れながら言った。
「いや、倒れてるじゃないか。」
「ひまり、お疲れ様。」
「りっちゃーん。もっと、褒めて。」
ひまりがりおに飛びついた。
「頑張ったね。お疲れ。」
「ほんとだよ。みんなもありがとうね。」
クラスのみんなも達成感を感じていた。ワイワイしたムードでいい雰囲気だった。みんなで写真を撮り、三人でもお化けの格好をして写真を撮った。
「いい写真だね。」
「ゆうくんの顔怖くない?」
「疲れが見えてるんだよ。」
人生で一番楽しい学校行事になったと心の底から思えた瞬間だった。だけど、これだけでは終わらなかった。
片付けが終わるとひまりが僕を呼びに来た。
「ゆうくん、後夜祭あるみたいだから行かない?」
「良いよ。りおは?」
「見てないの?」
「うん。ひまりも知らないのか?」
「うん。とりあえず行ったら居るかもだし、始まる前に行こ。」
「そうするか。」
体育館には、すでにいっぱい人がいた。
「自由参加なのに、生徒全員集まってるんじゃないか?」
「すごい人数だね。」
席に着くと、早速始まった。
「トップバッターは、ニ年生のバンドグループ、青空です!」
曲が始まると体育館は、二日間文化祭をした後とは、思えないほど大盛り上がりだ。熱気は、冷めることなくダンスやマジックなどいろいろなパフォーマンスが次々に行われている。
「いよいよ終盤になってきました!次は、一年生のダンスグループ、クリームパンです!」
「クリームパン!?」
ひまりが思わず驚いた声を出した。
「誰だろう……」
僕も少し気になった。照明がついた。
「あれって……」
僕もひまりも驚いて、しばらく、開いた口が塞がらなかった。




