第五十六話 初めての文化祭
※本日はもう一話、20時に投稿予定です。
文化祭当日の朝、始まる時間が迫ると慌ただしくなってきた。文化祭は二日間あり、今日は、校内のみで明日は、一般の人もたくさん来ることになっている。
「初めての文化祭、楽しみだね。」
「頑張ろう!」
実行委員の僕とひまりは、明日は、ほぼシフトが入っているので回れるのも今日だけだ。最初は、様子を見るために、ひまりと一緒にシフトに入った。順調に進み、シフトの時間は、あっという間に終わった。
「良い感じだね。」
「そうだな。ここから人が増えたら大変そうだけどな。」
「確かに。てか結構、みんなビビってたね。」
「普通にこれ、怖いからな。」
「流石、私が作っただけある。」
「急に自画自賛か?」
「じゃあ、りっちゃんと合流して三人で回ろうか。」
午前中は、三人で回ることにした。射的やメイド喫茶、他のクラスのお化け屋敷などいろいろ回った。
「疲れたー。」
「ひまり、はしゃぎすぎだよ。」
「だってどのクラスも楽しいんだもん。」
「二人とも楽しそうだったな。」
「ゆうくんも、メイド喫茶で鼻の下伸びてたんじゃない。」
りおにそう言われた。確かに、あれは刺激的だったかもしれない。
「……伸びてない!」
「誤魔化すの下手じゃない。」
「りっちゃん、私もそう思う。」
「悪かったな下手で。」
「開き直った!?」
「ゆうくん、そういうの趣味なの?」
この後、何を言っても弁明にはならなかった。
「私、午後からシフトだからお昼食べない?」
「そうするか。」
三人でお昼にすることにした。僕は、ひまりが買ってきた物を見て驚いた。
「ひまり……買いすぎじゃない?」
「だって、どれも美味しそうだったから。」
「まったく……」
僕は、なぜか面白くて笑っていた。
「ゆうくん、どうしたの?」
「りおとひまりといるとやっぱり楽しいなって。」
「私も楽しいよ!」
「それは、私もかな。」
僕は、久しぶりにこの二人との時間を過ごせて、いつもより楽しくて嬉しかった。
「ゆうくん、口周りソース付きすぎじゃない?」
ひまりがそう言って、手を僕の口に近づけてきた。
「良いよ。自分で取るから。」
それを見ていたりおが言った。
「何か二人……前より距離近くない?」
「……そんな事ないんじゃない?ね、ゆうくん。」
「気のせいじゃないか?」
「ふーん。まあ、良いけど……」
「いっぱい食べようぜ。」
これは、誤魔化せたのか?僕は、あまり気にせず、その後も二人との時間を楽しんだ。
三人でお昼を食べ終わり、りおはシフトに入った。午後はひまりとダンスやバンドなどの発表を見に行った。この学校では、クラスの発表は出し物があるクラスは自由になっている。代わりに有志発表の参加人数が多い。
二人で発表を見ているうちに、会場の熱気に僕たちもすっかり飲まれていた。
「どの発表も良かったな。」
「ダンスキレキレだったね。」
「ひまりは、出ないのか?」
「うーん。今は、良いかな。こっちのほうが楽しいし。」
その言葉を聞いて、僕は、ひまりにとっての何かになれたのかもしれないと思った。
一日目が終わり、教室に戻ると疲れ果てたクラスのみんながいた。
「大丈夫か!?」
僕が急いで声を掛けても、反応が薄かった。
「もう……無理……」
文化祭二日目大丈夫なのだろうか……




