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第五十二話 歩み寄り

 りおから来ていた不在着信に折り返した。

「りお、出れなかった悪い。何の用だ?」

 もしかしたら、最近遊べてないのが寂しいのかなと予想しているとりおが言った。

「文化祭の事で話したいことがあって……」

 寂しいわけないか……そういえば、話し合いのとき、りおからいつもと違う雰囲気を感じた。

「そうだよね。」

「ひまりは、大丈夫?」

「少し気持ちは、沈んでたかもだけどひまりの事だし、きっと大丈夫。」

「ゆうくんがそう言うなら、大丈夫なのね。」

「それだけ?」

「いや……クラスの意見まとまってないでしょ。時間があると言ってたけど、そんなにはないから。」

「そうだな……クラスをまとめないとな。」

「怖すぎるのに反対してる子たちいるでしょ。」

「そうだな。どう説得するかだよな。」

「やっぱり、その子たちは、いろんな人が来る文化祭でいろんな人が楽しんでもらいたいから反対してるみたい。」

「そうか、難しいな。」

「でも、怖すぎるのも、そこを抜きにしたら面白いと思うとは、言ってたよ。」

「そんな事、言ってたのか。」

 あの子達は、全てを否定したいわけではない。そう分かっただけでも、りおから良い事が聞けたと思う。

「ありがとう、りお。」

「頑張って、成功させてね。早く遊びたいから。」

 みんな、より良い文化祭にするために考えてくれてるんだ僕が頑張ってまとめないと、そう思った。その後、寝落ちするまで両方が納得できる案がないかずっと考えていた。


 次の日、考えた案を一度ひまりに話してみた。

「ひまり、良い案を考えてきたぞ。」

「なに?聞かせて。」

「中に入る人によって仕掛けを変えるんだ。」

「どういうこと?」

「怖すぎると、無理な人もいるだろ。」

「うん。」

「だから、受付でどんな人が入るかを中に伝えて、驚かす人の姿や驚かせ方を変えるんだよ。そうすれば、少しマイルドになるだろ。」

「確かに。でも、飾り付けは、変えられないでしょ。」

「そこは、難しいな。お化け屋敷は、そういうものと言うしかないか……」

「でも、それなら納得してくれそうじゃない?」

「あくまで形だから、後からみんなで考えればいい。」

「そうだね。」

「僕の方から言ってみるよ。」

「ゆうくん!私も行くよ。」

「じゃあ、行こうか。」


 反対している人たちの所に向かい、僕からさっきひまりにした話をもう一度して、説明した。

「これなら、怖さに重きを置きながらも、いろいろな人が楽しめると思うんだけど、どうかな?」

「上手くいくならそれでいいと思うけど……飾り付けをどれくらい怖くするのかとか、連携の取り方とか……」

 僕は、返す言葉に困った。確かに、何も詳しい事は決めていない。すると、ひまりが言った。

「大丈夫!私が頑張るから。」

 その言葉に、僕も背中が押された気がした。

「いろんな課題が出てくるかと思うけど、みんなで力を合わせて良いものを作ろうよ。そのためには、君たちの力も必要なんだ。」

 そう言うと、反対していた人たちも言った。

「そうだね。話し合いながら頑張ろう。」

「力を合わせて、成功させよう!」

 僕はひまりと目を合わせて、微笑んだ。

「じゃあ、頑張ろう!」

 ひまりは、すっかりみんなと打ち解けて、楽しそうに話していた。そんな姿を見て、ひまりの明るさには特別な力がある気がした。

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