第四十九話 仮装
ある日の放課後、ひまりと教室で文化祭の出し物を考えているとりおが来た。
「二人で何してるの?」
「文化祭で何するか考えてるんだ。」
「りっちゃんは?忘れ物?」
「いや、二人探してたんだ。」
「私たちを?なんで?」
ひまりが聞くと、りおが、おどおどしながら言った。
「明日、ハロウィンでしょ、だから三人でうちでパーティーしないかなって……」
「りっちゃんから家に呼んでくれるなんて、めずらしいね。」
ひまりは、そう言ったが、僕はなにか美桜さんが企んでいるのだろうと思った。
「まあ……たまにはね。いつもゆうくんの家ばかりだから……」
「誘われたんだし、もちろん行くよ!」
「ほんと!?ゆうくんは?」
「バイトあるけど早めに上がらせてもらうよ。」
「じゃあ、決まりだね!仮装パーティーしよう!」
ひまりは、テンションが上がり、この日は、文化祭のことではなく、何の仮装をするかで話し合いが終わってしまった。
次の日の学校終わり。
「ゆうくん、うちらは、先に行くね。私の家でやるから、場所分かる?」
「うん。それじゃあ、また後で。」
「バイト頑張ってね。」
バイトも終わり、先に上がらせてもらおうとすると、先輩が話しかけて来た。
「悠太くん、なんで今日は、早帰りなの?」
「友達と仮装パーティーを……」
「何の仮装するの?」
「あ……」
そういえば決めてなかった。
「決まってないの!?」
「はい……」
「じゃあ、これ持っていきな。ここにずっと置いてあったから。」
そう言って、袋を貰った。
りおの家に着いた。インターホンを押した瞬間、ドアが開いた。そこには、恐竜がいた。
「……恐竜?」
「やっと来たね、ゆうちゃん。待ってたよー。」
凄い距離が近い。ていうか、いつからゆうちゃん呼びになったんだろうか……美桜さん恐るべしだ。
「お母さんやめて!」
りおが美桜さんを引っ張り、家の中に連れ戻した。
「りお、ありがとう。」
そう言って、りおを見るといつもと違った。
「それ……シスターの仮装?」
「そう……似合ってる?」
「似合ってるよ。」
りおとシスターの相性が良すぎる。綺麗だ。
「ひまりは、どこだ?」
僕がそう聞くと、りおは、壁を指差した。
「あそこに、居るよ。」
「なんでそんな所に居るんだよ。」
「りっちゃん、言わないでよ。」
壁の裏に隠れていた、ひまりが来た。
「ゆうくん、あんまりじっくり見ないでよ。」
キョンシーの姿のひまりに僕は、見惚れた。
「ひまり、似合ってるよ。」
「良いから、そういうの……」
ひまりは、顔を逸らして言った。りおは、綺麗でひまりは、可愛い、美桜さんは、面白い。こんな三人といると毎秒が楽しい。そう思っていると、
「私もう着替えてくるから。」
ひまりがそう言って、別の部屋に行こうとした。
「待って。僕も、仮装するから、みんなで写真撮らない?」
「良いね。」
りおがそう言うと、ひまりも言った。
「写真のためなら待って上げるよ。だけど、早くしてね。」
僕は、袋を抱えて別の部屋に行って着替えを始めた。袋を開けた時、僕は後悔した。――確認しておけば良かったと。




