表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/86

第四十七話 三人で打ち上げ

※本日2話目です。

「本当に来てしまった……」

 打ち上げが終わり、帰っていると二次会に誘われた。今、僕はりおの家に向かっている。

「親は、大丈夫なのか?夜も遅いし。」

 僕がそう聞くと、りおは、すぐに答えた。

「大丈夫。許可出てるし、お母さんは、二人に会えるの楽しみにしてるよ。」

「そうなんだ……」

 このとき僕は、りおのお母さんがどんな感じか一人でイメトレしていた。ボッーとしながら歩いてると、りおが足を止めて言った。 

「着いたよ。ここが私の家。」

「久しぶりに来たね。」

 ひまりがそう言って、二人でさっそく入ろうとしていた。

「もう行くのか!?」

「ゆうくん、ビビってるの?」

 ひまりに煽られて少しムカついた。

「ビビってなんかない。」

「大丈夫。フレンドリーだから。」

 僕は、心拍数を整えて準備をした。


 りおが玄関を開けると、お母さんが待っていた。

「おかえり……」

 低い声だった。少し怒っているようにも聞こえる。足が震えて、逃げたくなった。りおのほうを見ると特に変化はない。

 (これがいつも通りなのか……)

 間が長くなるにつれて恐怖心も高まってきた。

「……りお!おかえりー!体育祭楽しかった?優勝できた?お……ひまりちゃんと……あなたがゆうくん?いつもりおがお世話になってるわね。」

「お母さん、やめて!」

 りおが必死に止めている。僕は、安心した。

「りおのお母さん、楽しそうな人だね。」

「そう?うるさくて……迷惑なんだけど……」

「ゆうくん、はじめまして。私は、りおの母、美桜です。よろしくね。」

「よろしくお願いします。美桜さんで良いですか?」

「あら、いきなり名前呼び?」

「あ……すいません。」

「良いのよ。上がっていきな。」

 りおとひまりは、先に入っていった。僕は、気になっていたことを踏み込んで聞いてみた。

「美桜さん、なんで最初、少し怒ってたんですか?」

「ビビらせようと思って……ごめんね。」

「良かったです。結構、怖かったので……」

 りおが普段落ち着いて、ちゃんとしている理由が少しわかったかもしれない。


 四人で今日の体育祭のことや普段のこと、僕たちの出会いなどいろんなことを楽しく話した。

「出会って半年だけどいろんなことがあったな……」

 僕がそう呟くと、美桜さんが羨ましそうに言った。

「なんか聞いてる私も青春したくなってきた。」

「お母さんの思い出話とかいらないからね。」

 りおは、美桜さんに警告をして、その場から強制的にどかした。

「りお、楽しそうだな。」

「大変だよ。毎日、毎日。」

「嘘〜。りっちゃん、お母さんのこと大好きでしょ。」

「ひまりー。」

 照れ隠しをするようにひまりにコチョコチョをした。

「ごめんなさい、許して、りっちゃん。」


 あっという間に時間が過ぎていった。

「もう夜遅いし、二人とも車で送るよ。」

 美桜さんの言葉に甘えて、車で送ってもらうことになった。りおの家を出るとき、胸の奥が少しだけ寂しくなった。――僕は、一日の終わりがこんなに寂しいなんて、そんな気持ちは、初めてだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ