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第四十一話 声援

 ついに、体育祭当日を迎えた。緊張で少し早く目が覚めた朝。校門に向かうと、多田がいた。

「悠太、いよいよだな。負けないからな。」

「僕は、強くなった。負けない。」

 そう手を交わして、別れた。


 僕は、青団。多田は、赤団。あとは黄団と緑団がある。クラスの場所に向かうと二人がいた。

「ゆうくん遅いよ〜」

 ひまりが僕を見つけて駆け寄ってきた。

「ごめん。多田と喋ってて。」

「負けられないね。」

 りおがそう言って僕の肩を軽く叩いた。

「そうだね。絶対に勝つよ。」

「うちらも頑張らないとね。ゆうくんのために。」

「私も頑張る!てか優勝したい!」

「ひまり、僕も優勝したいから頑張ろうな。」

 りおが僕を見つめてきた。

「りおもだぞ。一緒に頑張ろうな。」

「うん。」

 りおは満足そうな顔で、ひまりと一緒に行ってしまった。


 午前の種目で僕が出るのは、徒競走と台風の目だ。他にも借り物競走や玉入れなどがある。

「ただいまより、女子の徒競走を行います。」

 ピストルの音が鳴り、最初の種目が始まった。

「すごい盛り上がりだ……」

 僕は、少しびっくりした。

「確か、りおとひまりも出てるはず……」

 すると、二人の番が来た。

「二人とも同じレースか……」

 ピストルの音が鳴り、同時にスタートした。ひまりが速いのは知っていたがりおも意外と速い。二人が前に出た。みんなの目線は、二人に釘付けだ。

「りお、ひまり、頑張れ!行け!」

 僕は、無意識のうちに二人を応援していた。声はどんどんと大きくなり、二人も速くなる。

「ゴール!一位は同着だー。」

 実況の声がそう言った。

「二人ともすごいな……僕も負けてられない。」


 二人が戻ってきた。

「二人とも一位って、すごいな。」

「りっちゃん、速いね。もっと余裕かと思ってた。」

「ひまりはやっぱり速いね。負けないけど。来年は、勝つから。」

「いや、私が勝つ!」

「ひまりには、負けないよ。」

 二人がバチバチしている間に、こっそり抜けて、僕は徒競走の招集場所に向かった。


「緊張してきたな……」

 アップくらいのつもりで徒競走を走ろうかと思っていたが体育祭の盛り上がりに少しビビっている。得点も入るし、二人も見てるから恥ずかしい走りは出来ない。

「僕は誰にも負けない……集中しよう。」

 スタートラインに立った。

「位置について、よーい。」

 ピストルの音が鳴った。スタートで少し出遅れたが前に出ることができた。それにしても、すごい声援だ。

「「ゆうくん、頑張れ!」」

 りおとひまりの声がした。どこからか力が湧いてくる気がした。僕は、そのまま一位でゴールテープを切った。

「良かった。一位だ。」

 僕は安心したと同時にりおとひまりの声援を浴びて、本番のリレーにより力が入った。――多田に勝つためじゃない。あの二人も僕を応援してくれてるから。

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