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第四十話 勝負(後編)

※本日2話目(後編)です。

 僕たちは、疲れていたはずなのに、帰り道でもしょうもないことでたくさん笑っていた。

「楽しかったな……」

 僕がそう呟くと、多田も言った。

「最高のオフだった。けど90点だな。」

「あと10点なんだ?」

「悠太……分かってるだろ……お前の秘密だよ。」

「そう言えば……そう……だったか。」

 僕は、一瞬逃げる方法を考えたが、それは不可能だとすぐに悟った。

 

「じゃあ、まず一つ目な。」

「分かった……実は、来年の春から僕の妹がこっちに来るんだ。今のところは、一緒の家に住む予定だ。」

 多田は、驚いた顔をして言った。

「お前の妹……来るのか!?」

「受験で受かれば、だがな。」

「お前の妹だろ。どうせ賢いに決まってる。ていうか、会ってみたかったんだよな。少し話は聞いてたし。」

「そうか、それは良かった。妹がこっちに来ても、安心だな。」

「任せとけ。」

「多田に任せられるか?」

「いいんだよ、細かいところは。で、二つ目は?」

「特に秘密という秘密はないんだよな……」

「二人と何か……こうとかそうとかないのか?」

「ないな……」

「……じゃあ、俺の質問に答えてくれ。」

「……なんだ?」

 嫌な予感しかしなかったが聞いてみると。

「あの二人のこと、好きなのか?」

 僕が思ってもいない角度からの質問で驚いた。

「そうだな……そういうのじゃないと思う。」

「……お前のことだからそんなところだと思ったよ。」

「それだけか?」

 そう聞くと、多田がつぶやいた。

「あの二人は、お前のこと気になってるみたいだが……」

「なんか言ったか?」

「なんでもない。仲良さそうならなによりだ。」

「なんだよそれ。」

「にしても、お前は鈍いよな。」

「鈍くない。今日は、全敗だったけど……」

「勝ってから弁明してくれ。」

 多田にそう言われてムッとなった。

「じゃあ、勝負しよう。」

「何で勝負するんだ?」

 勢いで言ったが何も決まってない。

「もうすぐ、体育祭あるからそれで。」

「体育祭って……何の競技で勝負するんだよ。俺は、リレー出るけどお前は出たがらないだろ。」

「そうだな……誰も僕の足が速いことなんて知らないからな。」

「速いように見えないからな。でも、足が速かったらモテるんじゃないか?」

「そういうのは、小学生までだろ。」

「そうか、俺はカッコいいと思うけどな。」

「じゃあ、団の合計点とリレーの二つで勝負しよう。」

「リレー出るのか?」

「今日の二敗を取り返すには、出るしかない。」

「昔だったら断ってただろうに……お前も強くなったな。」

「いや、僕は昔から多田だけには、負けたくなかったから。」

「まずは、リレー出れるように頑張れよ。」

「そうだな。」

 僕は、今までにないくらい体育祭という行事に目標を向けて、熱くなった。

「絶対に勝ってやる。――そう決めた。」

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