表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/88

第三十七話 らしさ

 三人でいろいろ話しながらケーキやクリームパン、だし巻き、お菓子などいろいろ食べていると、

「もう……お腹いっぱい……」

 ひまりがそう言った。

「用意しすぎたな……」

「ひまり、パン買いすぎだよ。」

「りっちゃんも気合入れて、作りすぎたんじゃない?」

「二人とも落ち着いて。また、お腹減ったら食べればいいだろ。余ったら僕とばぁちゃんが美味しく食べるよ。」

「ゆうくん、食べたいだけでしょ。」

「太るよ?」

 りおに言われて、ギクッとなった。

「誕生日だからセーフ。」

「まったくだわ。」

「机の上、片付けるね。」

 そう言って、僕が片付けていると、二人がコソコソ何かをしだしているのを見た。食器を洗い終わり、リビングに戻るとひまりに言われた。

「渡したいもの……あるから来て。」

 手を引っ張られて、ソファに二人に挟まれるように座った。僕の胸の音が聞こえてしまいそうなくらいにドキドキしていた。

「渡したいものって……」

「じゃあ、私から……はい、プレゼント!」

 ひまりから貰った袋を開けると、そこには、可愛らしいカラフルな水玉模様のティーポットがあった。

「ありがとう、嬉しいよ。これ可愛いね。」

「そうでしょ、センスあるでしょ。」

「ひまりらしくて、僕は好きだよ。」

「ゆうくん、いつもありがとうね。」

 ひまりにそう言われて、ふわふわしていると、

「ゆうくん、何変な顔してるのよ。私も用意してきたんだから……はい、これ。その……どうかな……」 

「キーケースか!確かにいつも鍵、適当に置いてあるからな。嬉しいよ。実用的でりおらしいな。」

「良かった。これからもよろしくね、ゆうくん。」

「うん……二人ともよろしく!」

「じゃあ、早速、紅茶入れてきて。」

「ひまり、入れるのは僕なのかよ……」

「当たり前でしょ。」

 そう言って、貰ったティーポットに紅茶を入れた。

「それにしても二人とも、センスありすぎないか?どっちも嬉しすぎるんだが。」

「りっちゃん、流石だね。」

「りおが決めたのか?」

「いや、これは一個ずつ自分で決めたのよ。」

「そうか……でも、貰えるだけで僕は、満足だ。」

「りっちゃん、予想通りだったね。」

「だから、言ったでしょ、ひまり。私のほうが分かってるから。」

 二人が何かコソコソ楽しそうに話していた。僕は、それを見ているだけで、十分だった。

「ゆうくん……まだあるの。」

 りおがそう言って袋を取り出した。

「まだ……あるのか?」

「これ。二人で作ったの。」

「写真立て?」

「うん。前に写真が好きって言ってたでしょ。」

「すげぇ……」

「りっちゃんが作ろうって思いついてくれたの。」

「素直に……一番嬉しいよ。二人の想いがこもってる。」

「良かった。」

「りっちゃん、大成功だね!」

 二人は、安心した顔で笑みを浮かべた。プレゼントを選ぶときの話をたくさん聞かせてもらった。


 気づくと、もう日も落ち、いい時間になっていた。

「そろそろ二人、帰らないといけないのでは?」

「ほんとだ……もうこんな時間。」

 りおが寂しそうに言うと、ひまりが言った。

「三人で写真、撮ろうよ!」

「確かに撮ってなかったな。」

「ほら、りっちゃんも撮ろうよ。」

 僕を真ん中に三人で写真を撮った。

「はい、チーズ。」

「ゆうくん、目閉じてるんだけど……もう一回ね。」

「すいません……」

「はい、チーズ。」

 今度は目をしっかり開けたぞ。

「ゆうくん、目がくりくり過ぎない?」

「ほんとだ、けどいい写真じゃない?」

「なに、二人で盛り上がってるんだ。見せろよ。」

 写真を見ると、確かに僕は目を見開きすぎていた。けど二人はいい笑顔だった。

「僕たちらしい、いい写真だね。」

 僕は、写真を見てこの二人と居なければこんな表情になることは、無かったんだろうと思った。


「バイバイ!また、明日!」

 ひまりがそう言って先に家を出ると、りおもあとに続くと思っていたが僕に近づいてきて言った。

「……あの日のこと、絶対に忘れないから。」

 そう言って、軽く僕の手を握り、家を出た。

「何……されるのかと思った……」

 僕は、安心したかったができず、しばらくの間ずっとドキドキしていた。――あの手の温もりが、しばらく離れなかった。僕は、その手からりおの心を読めたら良いのにと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ