表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/86

第三十六話 最高の誕生日

 ピンポン、とチャイムが鳴った。ドアの外を見ると――二人が待っていた。

「どうぞ。」

 ドアを開けるとそこには、いつにも増しておしゃれで可愛い二人がいた。僕は、思わず見惚れてしまった。

「お邪魔しま~す。」

「お邪魔します。」

 そう言って二人とリビングに向かった。

「今日、おばあさんは?」

 そう、りおが聞いてきた。

「今日は、定期検査で病院だからいないよ。」

「そうなのね。お元気なの?」

「元気だから、心配はいらないよ。」

「そう……」

「てことは、この家には、私たちしかいないの?」

 ひまりが何か企んでそうな雰囲気で言った。

「そうだけど……何しようとしてるんだ。」

「別に〜?何も?」

「なら、いいけど。てか、二人とも荷物多くないか?」

 そう聞くと、二人は顔を見合った。

「今日は、なんとゆうくんの誕生日パーティー!」

「ゆうくん!おめでとう!」

 ひまりが元気よく言うと、りおも合わせて言った。

「ありがとう。二人とも、嬉しいよ。」

「じゃあ、今から誕生日パーティースタート!」

 ひまりの合図でパーティーが始まった。

「ゆうくん、どんな歳にしたい?」

 りおに聞かれた。

「楽しくて平和な日常がいいなあ……あと、こうやってまた来年も二人に祝ってもらえるように頑張るよ。」

「なんか……それっぽいこと言うじゃん。」

「なんだよ、それっぽいって馬鹿にしてるだろ。」

 わちゃわちゃ話をしているとすぐに時間が経っていた。

「じゃあ、ケーキ出してくる。飲み物、何がいい?オレンジジュースか紅茶かコーヒーだね。」

「私、オレンジジュース。」

「私は、紅茶でお願い。」

「了解。」

 僕が準備して席に向かうと二人は何だかそわそわしていた。

「ケーキ、空けるね。」

 ひまりは目を輝かせるように見て言った。

「うおーすごい美味しそう!」

 りおも驚いていた。

「こんな立派なのいただいていいの?」

「ばぁちゃんがいいよって、だから、食べよう。」

「待って……」

 ひまりがそう言った。

「私も持ってきたの。クリームパン!」

「パン屋で買ってきたのか?」

「うん。」

「だから、ひまり遅かったのね。」

「りっちゃん、ごめん。」

「で、なんでクリームパン?」

「クリームパンに命かけてたでしょ。だから、いっぱい食べさせてあげようと思って。」

「こんなに買って、太らせるつもりか?けど、ありがとうな。嬉しいよ、ひまり。」

 ひまりは、柔らかくどこか安心した笑みを浮かべた。

「実は、私も……」

「りっちゃんも!?」

「りおは、なんだ?」

「だし巻き、作ってきたの……」

「やったー、りっちゃんのだし巻き食べれるー。」

「それは、嬉しいな。ありがとう、りお。」

 りおも少し嬉しさが顔に出ていて可愛かった。

「じゃあ、ケーキ分けて、パーティー始めますか?」

「「オー!」」

 三人でケーキを頬張った。

「うーん。美味しい!」

「美味しいね。」

「さすがばぁちゃん、センスあるなあー。」

「フルーツ大好きだから、嬉しい!」

「ひまり、テンション高くない?」

「美味しいんだからしょうがないでしょ。」

「じゃあ、ひまりが持ってきた、クリームパン食べようかな。」

「どう?ゆうくん?」

「美味しい。温かくて程よい甘さだよ。」

「良かった!」

「りおのだし巻きもいただきます。」

 りおがこっちを真剣な眼差しで見ている。

「やっぱり美味しい。前より美味しい!甘さの中の、味変にもなるから最高!」

「ほんとだね。りっちゃん、良かったじゃん。」

「二人とも褒めすぎだって。でも、ありがとう。」

 僕は、もう最高の誕生日パーティーをしたという、満足感があった。誰かに祝ってもらえる。それがこんなに心が満たされるなんて初めて知った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ