第三十四話 二人の買い物(後編)
※後編です。前編から読むとより楽しめます。
「うーん。いろいろあるんだけどゆうくんって考えたらなんか難しいね。」
「ゆうくん、何が嬉しいんだろ?」
聞くと、りっちゃんが言った。
「なんでも嬉しいよ。とか言うんじゃない。」
「確かに、めちゃくちゃ言いそう……」
「結構、私、ゆうくんのこと分かってるでしょ。」
「私のほうが分かってるよ!」
「いや私だね。図書委員も一緒だし?」
「私のほうだって!絶対に……むっ。」
お互いに少し牽制しあった。
「じゃあさ、うちらでそれぞれ用意しない?」
「あり!だけど、被らないように一緒に見ようね。」
「もちろん!」
私は、りっちゃんがゆうくんのことに前向きになってくれて、安心した。そして、もっと誕生日プレゼントについて、気楽に考えようと思った。
「りっちゃん、何買うか決まった?」
「私は、キーケースにしよかなって。ひまりは?」
「このティーポットどう?可愛いからこれにしようかなって。」
「可愛い……」
「ゆうくん、コーヒーとか紅茶飲んでること多い気がして……」
「そう言われてみればそうね。ひまり、ゆうくんのことよく見てるね。」
りっちゃんにそんなことを言われて、嬉しくてなんか照れくさかった。
「そう?りっちゃんのキーケースにした、理由は?」
「当日に教えてあげるね。」
「なんだろう……気になる……」
「これだけじゃ少し寂しいからうちらで写真立て、手作りしない?」
「いいね!絶対、喜んでくれるよ。」
そう言って材料を買い、りっちゃんの家で二人で作業を始めた。
「出来た!」
「結構、失敗もしちゃったけど、この二つはいい感じだね。」
「りっちゃん、これは、間違いなく喜んでもらえるよ。でも、一つ問題が……」
「どうしたの、ひまり?」
「どうやって、ゆうくんとの誕生日パーティーを開くのかなって……」
「そっか……私、まだ距離あるままだもんね。」
「どうやって誘おう?とりあえず、誕生日の日、ゆうくんの家で三人で遊べるか聞いてみるね。」
「当日って、明後日の放課後?」
「うん。」
「でも、明日は学校ないから会えないしどうしよう……」
「明後日、お昼食べるときでもいいんじゃない?」
「そうだね。ちょっと不安だけど……」
「りっちゃん、私がいるから。」
「ありがとう、ひまり。」
私は、少しだけ不安もあったけど、三人で最高の誕生日パーティが楽しみで待ちきれなくなった。
家に帰り、ゆうくんに頼まれたことを報告した。
ひまり【ゆうくん、頼まれたことしたよ。】
ゆう【ありがとう。で、どうだった?】
ひまり【その前にゆうくん、りっちゃんとあんなことしたの?】
ゆう【聞いたのか?】
ひまり【聞きたくなくても、気になるでしょ……】
ゆう【それは、ごめん。でもそういうつもりじゃ……】
ひまり【分かってるよ。でね、明後日、ゆうくんの家で放課後遊べる?】
ゆう【良いけど……りおの件は?】
ひまり【遊びに来るみたいだし、それくらいのことだったってこと。詳しくはりっちゃんからね。】
ゆう【なんだよそれ……】
こうやって、改めてりっちゃんの件について話していると、なぜかりっちゃんだけずるいと感じた。――この時、私はその違和感の正体に気づいていなかった。




