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第三十三話 二人の買い物(前編)

 僕にとって最も恐れていたことが起きた。それは、あの日から二日経つのだが、りおとは学校で距離間があったままだった。すると、ひまりが聞いてきた。

「りっちゃんと何かあったの?」

「分かるもんなのか?」

「だって、距離遠くない?一目で分かるよ。」

「そうか……いろいろあってな。」

「私がりっちゃんに聞いてあげようか?」

「いいのか?」

「週末会う予定だから……」

「頼んでいいか?」

「ゆうくんの頼み事なら……もちろんいいよ!」

 そういうわけでりおの件については、ひまりに任せることにした。来週、学校に来るときには、前みたいに話せたらいいなと思いながら家に帰った。



 

 私は愛川陽葵、今日はゆうくんから大事な頼み事をされてるけど……私も私でやらないといけないことがある。

「りっちゃん、おはよう!」

「おはよう!」

「今日は、買い物したいんだ。」

「何、買いに行くの?」

「ゆうくんへのプレゼントだよ。」

「プレゼント!?なんで!?ひまり……まさか!?」

「ゆうくん、明後日誕生日だからね。」

「そうなの!?」

「りっちゃん、知らなかったの?」

「なんでひまりは、知ってるのよ。」

「多田くんから最近聞いたの。」

「嘘……私、何も準備してないし……あれだし……」

「だから、今日買いに行くんでしょ。」

 今のでなんとなく分かった。りおが何か隠し込んでることをそれに罪悪感を持っていることも。

「前、りっちゃんにゆうくんの好きなもの聞くように頼んだでしょ。あれの答え、なんだったの?」

「……あ……あれね。えーとあれは確か……写真って言ってたかな。」

「写真!?写真関係でいいものあるかな?」

「とりあえず、いろいろ見てみようよ。」

「そうだね。」

 この会話の中で、明らかにりっちゃんに何かがあったことを確信した。


「いっぱい、いろいろあるね。りっちゃん、カメラとかはどう?写真綺麗に撮れるよ。」

「良いけど、金額が……」

「そうだね……これは、出せないか……なら、これは?」

「なになに?」

「招き猫。」

「え……なんで?」

「可愛いから、ダメ?」

「ひまり〜真面目に考えてよ。」

「私は、真面目なんだけどなー。」

 すると、お腹が鳴った。

「りっちゃん、疲れたしお昼だからご飯食べない?」

「そうだね。そうしようか。」


 ご飯を食べ終えて、プレゼントについてりっちゃんと話し合いながら探ろうとした。

「なかなかいいの思いつかないね。」

「それは、ひまりが真面目に考えてないからでしょ。」

「ゆうくんぽいの考えてるんだけどなあー。」

「うちらからのゆうくんへの想いが伝わっていれば手作りでもなんでもいいんじゃない?」

「りっちゃんの想いって?」

「急に何聞くのよ。私は……」

「せっかくの誕生日パーティーみんなで楽しみたいな……」

 私がそう言うと、りっちゃんは、下を向いて少し悲しそうな顔をしていた。

「りっちゃん、どうしたの?」

「その……私、ゆうくんに嫌われちゃったかもしれないの。だから、その誕生日パーティー行けないかも……」

 りっちゃんの泣きそうな顔に私もなぜか泣きそうになった。

「なにがあったの?」

「図書館で本が落ちてきて、ゆうくんが守ってくれたんだけど……覆いかぶさる感じになっちゃったの。恥ずかしくて早くどいてほしくて言い過ぎちゃったの。守ってくれたのに……」

「そうだね……ゆうくんは、本当に言い過ぎたことに怒ってるのかな?」

「怒ってないにしても、あの日から全然話してないし。おかしくない?」

「きっとゆうくんは、りおのことが心配なんだよ。」

「なんで?」

「女の子にそんなことしちゃった、っていう罪悪感があるはずだよ。ゆうくんは、優しいからね。」

「ひまり……なんか鋭くない?」

「い、いやーいつもこんな感じ、じゃない?」

「なんかそれ、ゆうくんっぽいなって思っただけ。」

「でもゆうくんは、本当に心配してたし、りおがいないと寂しそうだったよ。」

 そう言ったとき、りおの顔は明るく笑顔で満ちた。

「ほんとうに……ひまり、ありがとう!」

「たまには、私もりっちゃんのためにね。いつも助けられてばっかだから。」

「これからも二人でね。」

「うん!」

「じゃあ買い物の続き行こうか。」

 そう言って、りおの後をついていき店を出た。二人の想いを込めた良いものを選ぼう、そう強く思った。

※後編は明日の20時に投稿します。

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