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第三十話 新学期

 今日は、夏休み最終日。つまり、明日からは新学期だ。父さんと彩葉に会ったのも、もう、1週間前のことだ。結局、二人にアルバムを見せることは、出来なかった。りおとひまりとの写真もあるし、まだ、見せるには、早いと思ったからだ。

「てか課題やらないと……夏休みの最後ってなんで急に早くなるんだろうな……」

 そうつぶやきながら机に向かって課題を進めた。


 ――次の日の朝

「やべえ、ギリギリだ。」

 そう言って、新学期早々急いで支度をして、向かった。向かった先には、二人がいた。

「ごめん、少し遅れた。」

「ゆうくん、初日から遅刻はダメだよ。」

 ひまりにそう言われると、りおにも言われた。

「ほんと、情けないわ。」

 なぜこんなことを言われるのか、それは今日から三人で登校する約束をしていたからだ。

「すいません……」

 これに関しては、僕が悪い。僕とひまりが歩き出すと、りおも自転車を押しながらついてきた。

「ゆうくんってちょっと遠いのになんで自転車じゃないの?」

 りおに聞かれた。

「自転車か……そういえば家にはないな。確か、いも……いや、昔はあった気がする。」

「そうなの。」

 僕は、あやうく妹と、言うところだった。この二人には、家族関連のことはあまり言っていない。だけど、いつか言う日が来るのかも知れない。

「ゆうくんと夏祭り行きたかったな〜」

 次は、ひまりが口を開いた。

「ごめんな。どうしても外せない予定があってな。」

「残念だったよ。ひまり、楽しみにしてたからね。」

「花火、一緒に見たかった。」

「ごめんな、ひまり。来年、絶対見に行こうな。」

「うん!絶対だよ!」

「私、忘れてない?」

「もちろんりっちゃんも一緒だよ。」

「何食べる?」

「ひまり、来年の夏だぞ。今、考えても忘れるだろ。」

 僕は、ひまりがとても楽しみにしてくれていたことに少し申し訳なくなった。学校に近づいてくると、人も多くなってきた。周りからの視線を感じる。

「なんであの二人とあいつなんだ?」

「なにかあったのか?」

 そんな声が聞こえてきた。不釣り合いなことくらい僕にでも分かるがこの二人とは、離れたくなかった。

「ゆうくん、大丈夫?」

 ひまりがそう聞いてきた。

「大丈夫。りおとひまり……あと、多田もいるし、三人も大切な友達がいるから、それで充分……」

 僕がそう言うと、りおもひまりも少し照れくさそうだった。

「なにそれ?ゆうくん、カッコつけてるでしょ。」

 りおがそう言うと、ひまりも笑った。

「つけてないって。」

 そんなことを言い合ってるうちに、すっかりいつもの和やかな空気になっていた。やっぱり、この二人といれば楽しいな……。


 帰り道、多田も含めて四人で楽しく帰った。家に帰るとばぁちゃんがいて、僕の隣の部屋は、少し整理もされていた。前とは、違う生活がこの先待っている気がした。――新しい気持ちで、これからを前向きに頑張っていこうと思った。

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