第二十六話 再会
※本日2話目です。
「父さん、もう着いたの?」
「着いたぞ……」
もう着いてしまったのか、僕がそう思って心を切り替える準備をしていると、父さんが言った。
「――スーパーにな。」
僕が外に出ると、そこはスーパーだった。
「なんだまだスーパーか……びっくりさせるなよ。」
「すまない、すまない。」
僕はひと安心して、スーパーに入った。
「なんでスーパーに?」
「色々買わないとな。家には二人分しかないから。」
「そうか。父さんは家事してるの?」
「忙しくて、できてないな……彩葉に基本任せているが完璧だからな、文句の言いようがないぞ。」
僕は、父さんが彩葉に絶対的な信頼を置いていて、母さんみたいな存在なのかなと思った。
「なのに買うもの分かるの?」
「彩葉から大体の買うもののリストをもらっている。」
「ちゃんとしてるなぁ……」
僕は、大人になった彩葉を頭の中でイメージした。多分、もう僕より大人なのかな……
「お、肉まんじゃないか。」
父さんが急に僕に言った。
「肉まんがどうしたの?」
「お前、肉まん好きだっただろ。けど、お前は肉以外の部分が好きだから、肉のところはいつも、彩葉にあげてたよな。」
「いつの話してんだよ!」
「いいだろ、思い出だ。買っていくか。」
僕は、大人になっていない彩葉もイメージした。これもこれで悪くない気がした。
買い物も終わり、再び車に乗り、家に向かった。僕はその道中、妹と再会して何を話すか、どう接するかで頭がいっぱいだった。そうこうしていると車が止まった。
「着いたぞ。」
「久しぶりだ……」
僕がこの家に来るのは小3以来。祖母は車を持っていなかったからこんなところには来なかった。僕は、家を目の前にするとより緊張してきた。荷物を持ち、玄関を開けるとそこには、彩葉が立っていた。
「ただいま。」
父さんはそう言って先に中へ入っていってしまった。
「……お邪魔します。」
僕は、もっと違うことを言おうとしていたが緊張してこの言葉が出た。けれど、彩葉は笑って言葉を僕に返した。
「……ゆうにい……久しぶり」
僕は、懐かしさを強く感じて緊張がほどけた。
「彩葉、久しぶり……」
「ゆうにい、高校生っぽいね。」
「そりゃ、高校生だからな。彩葉も、大きくなったな。」
黒に青みがかった髪色、結んだ髪、青色の瞳、変わらず愛くるしいところも多くあった。けど、落ち着いた、大人っぽさも見た目から感じた。
「なに?馬鹿にしてるの?私、中学では低い方なんですけど……」
確かに、ひまりより小さい気がする。
「確かに小さいかもな。ほら、少しくらい。」
「やっぱ、馬鹿にしてるじゃん!」
「そんな怒るなよー。荷物持ってるんだから中に入れさせろ。」
「謝るまで入れませーん。」
「おいおい、悪かったって。」
「誠意込めるまで、だめ。」
僕は、この言い合いすら懐かしく感じた。弟の悠心は、歳が離れていたので可愛がっていたが彩葉とはよく喧嘩もしたし、ツンツンしていた。けど、歳が近い分、心はすごく通わせてた気がする。
「すいません。」
「どうぞ。」
「やっとかよ……やっぱツンツンしてんな……」
僕が聞こえない声でつぶやくと彩葉が後ろから叩いてきて言った。
「なんて?」
「なにも言ってません。」
そう誤魔化して、リビングに向かった。僕は彩葉と懐かしい再会を果たした。――この再会が、どんな日々につながっていくのか、まだ知らなかった。




