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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十五章 サクリファイス

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第595話 スキルを共有する力

 聖地マーリンは夜を遥かに凌駕(りょうが)する闇に支配されている。

 ナイトビジョンでもないと、まともに前進できないぞ。


「で、どうやって歩くのよ?」

「姉様の言う通りです。わたくしも疑問です」


 メサイアもフォルも、外出方法に疑念を抱いていた。という俺も、今のところは何も思い浮かばない。やはり、ここはスイカの出番だな。



「なあ、スイカ。暗闇でも視界が良好になる魔法とかないのか?」

「おかしいですね。サトルさんは“目”をお持ちかと」


「ん、目ぇ?」



 ――いやまて。そうか、俺には『千里眼』や『ホークアイ』があったな! 発動すれば、闇の中も見れるじゃないか。最近、活躍がないからすっかり忘れていた。



「ちょっとサトル。あんた、便利なスキルがあるじゃない!」

「すまん、失念していた」

「もう、しっかりしてよね。期待しているから」


 少し呆れるメサイアだが、直ぐに激励に変わった。俄然(がぜん)やる気がでるってモンだ。

 とはいえ、千里眼系スキルを使えるのは俺だけだ。……まあ、スイカは賢者スキルでなにかあるのだろうけど。


 どうしたもんかね。



「移植とかコピーとかできないよなぁ」

「サトルさん、それなら大丈夫です」

「マジか、スイカ」


「ええ。あたしのスキルで『千里眼』の効果をパーティに共有することができます」


 そりゃすげぇな。

 魔法に精通しているリースですらも驚愕しているぞ。



「う、うそー…。スキル自体に干渉する力が存在するなんて……不羈魔法使いって本当に凄いんですね」



 エルフ族でも難しいんだろうな。だが、賢者は不可能を可能にする。万物の力だからだ。



【ソウルシェアリング】

【効果】

 ①対象のスキルを指定する

 ②そのスキルの効果をパーティおよびギルド単位に共有・適用する

 ③魔力は通常の三倍消費する



「おぉ、これが! なるほど、共同で使うってことなのですね」



 納得するフォルに、俺も同調する。そういうことだとはね。



「よし、スイカ。そのソウルシェアリングで『千里眼』を指定。みんなにも有効にしてくれ」

「了解しました」



 (まぶた)を閉じ、右手を俺に向けるスイカ。途端に魔力を感じ、千里眼が指定された。それは一瞬でメサイア、リース、フォルに適用された。



「これが千里眼なのね! どう? リース」

「えっと……はい、外が見えます! メサイアさん、これなら動けますよ!」



 二人ともきゃっきゃしていたのだが、フォルは俺を見つめてべったり。お前も外を見ろよ!?



「わたくし、兄様だけを見つめていたいのです……」

「おまえなっ! ちゃんと適応されているか確認しろって」


「ええ、確認しましたよ。そもそも、わたくしの目は特殊でして。なにしろ、聖女ですから!」



 そや、右目が青の左目が桃色というオッドアイだ。片方はフォーチュンの瞳のようだけどな。そうか、ヤツの力が働いているのかもしれない。

 実は、フォルには見えていたのか。



「そうかい。頼りにしているぞ」

「はいっ。わたくし、兄様の為ならこの身を捧げる覚悟でございますからっ」



 だからって、ベタベタしすぎだあああっ!

 顔だとか体だとか、いろいろ接触して俺の中の獣がざわついている。目を覚ましたらどうしてくれるんだ。理性を保つのも苦労するぜ。



 ◆



【聖地マーリン:街中】



 千里眼を全員に適用したまま、俺たちは聖地マーリンの中を歩いていく。

 当然ながら人の気配なんてない。誰も歩いちゃいない。


 住人がいるのかすらも怪しい。


 こんな四六時中、極夜みたいな状態ではなぁ……誰も出歩かないわな。スキルがなければ、マジで視界ゼロだし。


 だが、今の俺たちは全てが見えている。



「……おぉ。千里眼、ここまでとはね」

「どうだ、メサイア。俺の千里眼、すげーだろ」

「うん。暗闇がウソみたいにハッキリしているわ。やるわね」



 思えば、千里眼スキルは数々の場面で活躍していたっけな。今もこうして現役で使えているから万能だな。

 改めて千里眼の効果もおさらいしておくか。



【千里眼】

【効果】

 対象:自分

 見えない場所を見通したり、

 透視する能力。視力もアップ。

 使用時、回避力が増加する。



「ところで、スイカさん」

「なんでしょう、リースさん」


「お母さんはどこにいるんですか?」


 それは俺も気になっていたが、スイカは直ぐに答えた。


「この聖地マーリンの中央部付近にある遺構『アンブローズ』です」



 遺構ってことは、ほとんど建物は残っていない土地みたいなものか。

 向かっていくと、巨大な遺構が現れた。


 ……湖だ。


 それも、かなり広々とした湖だな。

 確かに、わずかにだが太古の建物の柱が残されていた。つまり、湖に沈んだってことか。



「ここがアンブローズ……」



 びくっと震えるリースは震えていた。強い闇が俺たちに圧し掛かる。……なんてプレッシャーだ。

 確かに、この湖のどこかにスイカの母親の亡霊がいるようだな。


 やがて空気が大きく変化した。



「……お母さま」



 スイカがぽつりとつぶやいたその瞬間――湖の奥底から現れる大きな気配。……あれが?

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