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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十五章 サクリファイス

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第593話 常闇の聖地マーリン

「これで約束は果たされたな、サトル」


 グレンを確保できて満足そうに笑うシベリウス。つか、最初から俺の手元に答えがあったとは思わなった。普通に驚いたぞ。


 少し前に貰ったボロボロの本が『世界聖書』なるアイテムだったとはな……。装丁の原型すら残っていないし、そんな貴重なものだと思わんだろう、普通。


 ともかく、これを使えば転移できるというわけだ。



「助かったよ」



 礼を言うと、シベリウスは静かに背を向けて戻っていく。背中で「いいってことよ」と語っているようだった。

 相変わらず独特な人だな。

 これで依頼は完了だ。



「――で、サトル。ゼルフィナもグレンを連れて行っちゃったし、どうする?」


 美しい赤色の瞳が俺を見つめていた。

 メサイアは腕を組み、俺の言葉を待つ。リースもフォルも。



「もちろん、直ぐに聖地マーリンへ向かう」



 その為には、リースに世界聖書を読み解いてもらう。

 空気を察したリースは、世界聖書を手にして聖地マーリンの項目を探していた。



「えっとですね……あ、ありました!」



 全ページ古代エルフ語で読めないが、翻訳すると『聖地マーリンへの帰還』らしい。発動する方法は世界聖書に魔力を込めればいいようだ。

 となると、この本の所有者はリースがいいだろう。


「お願いしますね、リース」

「ま、任せて……フォルちゃん」



 リースは妙に緊張している様子だ。

 世界聖書なる神器相当のアイテムを初めて使うのだから、焦るのも当然か。

 震えている彼女の手をフォルが握る。



「大丈夫です。上手くいきます」

「ありがとう。がんばるねっ」



 フォルの励ましのおかげか、リースの緊張は解れていた。これなら大丈夫そうだな。

 しばらくすると世界聖書の反応が現れた。リースの魔力に反応しているらしく、白く輝いている。


 ……なんだか神々しいな!



「いけそうか?」

「はい、サトルさん。直ぐに転移できます!」


「よし! じゃあ、しゅっぱ――」



 その瞬間、ぎゅいいいいいぃぃんと光に包まれていた。って、うぉい! 心の準備がまったくてきていないぞ!?



「うあああああああああああ!?」



 ・

 ・

 ・



 なにも見えない。ここは……聖地マーリンなのか?


 漆黒すぎて、俺は今どこかに埋もれているのかと思った。でも、そんな感じもしなかった。……体が動く。手も足も自由が利く。となると……どこなんだ、ここ?



「お、おい。みんな無事か?」

「ちょ! サトル、どこ触ってるのよ!」



 べちんと叩かれた。この声はメサイアだ。目の前にいるらしい。……って、俺はメサイアのどこを触ったんだ? すげぇ柔らかかったけど。



「な、なにも見えません……!」



 耳元でリースの可愛い声が囁く。……うぉ、たまらん。



「兄様どこですかぁ!?」



 俺の背後にフォルの声。そうだ、みんなの声は聞こえている。気配も感じる。なのに見えないとはどうなっている。


 どうやら、俺だけでなくてみんなも同じ現象に陥っているようだ。



 まさか、聖地マーリンは視界が強制的に遮断される場所なのか……?

 なにかの魔法なのか。


 それとも、マジで真っ暗なのか。


 試してみるか。



「リース。たいまつを頼む」

「わ、わかりました……!」



 魔法スキルを発動し、人差し指に“火”を灯すリース。

 すると、わずかにだが視界を取り戻した。


 なんとリースの灯りの部分だけ見えるようになったんだ。それでも周囲は暗黒空間。とんでもなく深淵だ。


 そんな異常をメサイアも感じ取ったらしく。


「ねえ、どうなってるのよ、サトル」

「さ、さあ……? 聖地マーリンは今、夜なんじゃね?」

「それにしたって暗すぎじゃない? 月明りすらないなんて……」



 新月の夜でもなさそうだ。それ以上の闇が広がっているようだな。すごく奇妙だ。



「とりあえず、もっと灯りが必要だな。メサイア、たいまつでも作れるか?」

「建築スキルで一発よ」



 木材、布、動物の油を合成し、たいまつを作り上げた。よし、あとはリースに着火してもらうだけだ。


 たいまつに火をつけてもらい、これで更に明るさが増した。



「おぉ、かなり視界良好です!」



 ようやくフォルの顔が見えた。メサイアとリースの姿も確認できて一安心だ。どうやら、本当に暗闇の中らしい。それも、普通の闇ではない。


 奈落の底のような世界だ。


 聖地マーリンではなにか異変が起きているのか?


 向かおうにも闇すぎて先へ進めないし、困ったぞ。



「どこへ向かえばいいんだ……」

「朝まで待つ?」


「それもアリだが、メサイアよ」

「なによ」


「世界の破滅まで時間がないんだ。悠長なことは言っていられないぞ」

「それはそうだけど、こんな真っ暗闇ではどうしようもないわ」



 だけど、このどこかのスイカがいるはずなんだ。きっと、どこかに。


 その時、リースが落ち着かなさそうに周囲を見渡していた。なにか気配を感じ取っているようだな。



「……っ」

「どうした、リース」


「いえ、あの……。スイカさんがいるような気がして」


「え?」



 もしかして、結構近くにいるのか?


 俺も探ろうとしたのだが、その瞬間にはまた光を奪われた。たいまつを破壊されたんだ。……何事!?



「……この常闇に光は危険。って、みんなどうして……」



 この声はスイカ!

 やっぱり、この聖地マーリンにいたんだな!

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