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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十五章 サクリファイス

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第589話 炎の騎士を探せ!

 ルクルによれば、シベリウスはこのエルフの里カムランに住んでいるらしい。

 以前は、花の都ネオフリージアにあるアーカム家のお世話になっていたと思うが――ああ、そうだ。“最後の修業”とかで結局、グレンを叩き直していたようだな。


 そもそも、グレンがサボりすぎて破門になったのだが……それはまた別の話。



「場所はどこですか?」


 リースがシベリウスの居場所をルクルに訊ねる。彼は少し考える素振りを見せつつも、直ぐに答えた。



「キャメルフォード通りですね」

「キャメルフォード?」


 小動物のように首を傾げるリースは激カワすぎた。そのままお持ち帰りしたいね。



「ああ、キャメルフォードか」

「なんだ、メサイア。知っているのか」


「まあね。ほら、カムランの滞在期間って長かったし、私あっちこっち歩き回っていたから」



 そういえば、そうだったな。

 メサイアには『おでん缶自販機』を設置してもらったり、奔走(ほんそう)してもらった覚えがある。その時に、街のことも詳しくなったのだろうな。



「それなら、姉様に案内していただきましょう」



 フォルがそう提案すると、メサイアは「ええ、任せなさい!」と妙に張り切っていた。いや、機嫌が良いのか。



「じゃ、ルクル。俺たちはキャメルフォードへ行ってみるよ」

「はい、お気をつけて……あ、サトルさん」


「ん?」


「お店はいつでも使ってくださいね」



 邪気が一切ない、澄み切った川のような笑顔を向けられ――俺はキュンとときめく。


 ……だ、だ、だが男だ!!


 ポウラの性転換スキルで、女の子のままだったら惚れていたかもな。



 ◆



【カムラン:キャメルフォード通り】



 どうやらキャメルフォード通りとは、ポウラが根城にしていた『ユーモレスク宮殿』の付近だったようだ。

 思えば、俺は普通にこの道を歩いていたな。


 閑静(かんせい)な住宅街が立ち並び、小規模な林も広がっている。


 このどこかにシベリウスが住んでいるようだ。

 ひとまず、(しらみ)(つぶ)しにエルフの住居を回っていく。しかし、一般エルフが住んでいるだけで――シベリウスの姿はない。



「……どこに住んでいるのでしょうか」



 歩き回ってヘトヘトのリースは座り込む。

 その(かたわ)らでフォルも腕を組んで困惑。


 メサイアはすっかりやる気を失って、俺にもたれ掛かる。……って、近いし。息が掛かっていて、くすぐったいぞ。



「ねえ、サトル。お腹空いたわ」

「そうだな。もう夜も近い。そろそろ夕飯にすっか」



 改めてシベリウスを探そうとしたのだが――通りの向こうから背の高いエルフがこちらに向かってきていた。


 あの筋肉質な女性は……まさか!



「久しぶりだね、サトル」

「ゼルフィナか……!」


「そうだ。俺はゼルフィナ、よく覚えていたな」



 そりゃ覚えている。俺とリースでコイツを倒したからな。

 つーか、まだ残党が残っていたとは。



「ねえ、誰よ?」

「良い質問だ、メサイア。この筋肉モリモリの女性エルフは敵だ」

「え……敵って」


「ほら、ポウラ事件。あの時の幹部だ」

「そういうこと……」



 当時、メサイアたちはルクルのお店で留守番していたからな。知らなくて当然だ。

 それにしても、まさかここでゼルフィナと再会するとは。


 でも、殺気も感じられないし、今のところは戦闘になる気配もない。警戒しておくに越したことはないけど。



「ポウラの復讐か?」

「違う。ポウラはお前によって撃破され、今は『大監獄ヘルヘイム』に収監されていると聞く。だからもうどうでもいい」



 ヘルヘイムか……懐かしい場所だな。

 というか、あそこって機能していたんだな。

 随分と荒廃していたイメージだが、俺たちが知らぬ間に復旧したのかな。



「そうか。じゃあ、目的は?」

「ある人物を探していてな。お前たちが現れたとウワサを聞き、教えてもらおうと思ってな」



 ゼルフィナはため息交じりに肩を落とす。なんだその苦労しているみたいな感じ。

 聞き返すべきか悩んでいると、メサイアが声を掛けてしまった。……まあいいか。



「ある人物……?」

「グレン。グレン・アーカムを探している」


「グレン!? あの炎の騎士の……」


「そうだ。シベリウスの頼みでな」



 ということはつまり、ゼルフィナはシベリウスの手伝いでもしているってことか。詳しく聞くと、どうやら路頭に迷っているところをシベリウスに拾われ、今は“付き人”として行動を共にしているようだった。


 なるほどね、シベリウスがな。


 となると、ゼルフィナについていけば会えそうだな。



「グレンを連れてこればいいんだな?」

「そうだ、サトル。それが条件だ」


「でも、なんでグレン? まさか“最後の修業”をサボったのか」



 その通りだと言いたげに眉間(みけん)(しわ)を寄せるゼルフィナ。マジかよ。グレンのヤツ、また逃亡していたのかよ。


 仕方ない、無理やりでも連れてくるか。


 シベリウスにさっさと『聖地マーリン』へ行く方法を教えてもらわないと世界が破滅するぞ。

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