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寝取られて壊れた俺に、あの子がいびつにハマってくる♦︎♦︎♦︎義妹を養うために、ブラック業界(不動産)で頑張ります!  作者: 白井 緒望


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第34話 宴会

 ソチさんは、約定通り1ヶ月で退去してくれた。


 だが、去り際のあの目……。

 自分の選択に自信がなくなる。


 その後、元オーナーから所有権放棄の合意書の原本が届き、残置物を処分した。結局は、それなりにお金がかかった。


 メイファの立ち退き料だけで無血開城すると言ってしまったために、部長にはかなり責められたが、裁判は回避できた。


 「仕方ねーじゃん」

 俺はコーヒー缶を額にくっつけた。



 そういう今日は、課長の復帰祝いと、俺の歓迎&送別会だ。


 仕事を手早く終わらせて、会場に急ぐ。付き合いの飲みは好きではないが、この高揚感は嫌いではない。


 いや、いつのまにか嫌いではなくなった……か。


 席に着くと、部長がジョッキのビールを掲げた。


 「課長の復帰と、山路くんの今後の更なる活躍を願って、かんぱーい!」


 ガチャン。

 みんなでグラスをぶつけ合う。


 課長も楽しそうだ。


 「課長、退院したばっかりなのに飲んで大丈夫なんですか?」


 すると課長は笑った。

 「まぁ、山路の異動祝いだしな。次の物販でも頑張れよ」


 そう、俺は異動になった。

 例のソチとメイファの物件が経費過多で赤字の見通しとなり、俺が『責任を持って自分で売れ』ということになったのだ。


 「まあ、責任とって売りますよ」


 課長が俺の背中を叩いた。


 「腐るな。ちょっとした寄り道だよ。でもなぁ、山路。本当に面白いものは、寄り道の中で見つかるんだぜ?」


 「そんなもんですかね」


 すると、店員さんが話しかけてきた。


 「ハルマ。シッパイしたのか? クビか?」

 メイファだ。


 制服がよく似合っている。

 軽く化粧もしていて、普通に可愛い。


 「クビじゃないよ」


 (飛ばされたのは、半分くらいはアンタのせいなんだがな)


 メイファが耳元で囁いた。


 「ホレタカ?」


 「惚れないけれど、制服、よく似合ってるよ」

 メイファは、はにかんだ。


 「子供は元気?」


 メイファが身体をくっつけてきた。

 「ハルマにパパになってほしいとイッテタ」


 子供は嫌いじゃないしメイファも可愛いけれど。喜怒哀楽が激しくて、付き合ったら疲れそうだ。


 すると、今度はオーナーのお婆ちゃんがきた。


 「ありがとうね。団体様で予約を入れてくれて」


 「こちらこそ。今回はありがとうございました」

 

 今回の飲み会の主役は俺なのに、なぜか俺が幹事をしている。不動産あるあるなのかも知れないが、理不尽すぎる。


 おかげで、職権濫用して、会場をメイファの店にすることができた。



 突然、部長が立ち上がった。


 「実は高橋くんが寿退社することになりました! 赤ちゃんもできたんだよ」


 おいおい、このセクハラおやじ。

 そんな発表しちゃって、大丈夫か?


 

 すると高橋さんが立ち上がった。

 三条君が口笛をならす。


 「んで、パパは誰かんすか?!」


 場の空間が一瞬、凍りつく。 


 だが、高橋さんは恥ずかしそうに俯いた。


 みんな同じことを思ったと思う。

 『まさかこの中に、父親がいるのか?』

 

 30秒ほどの沈黙の後、高橋さんが部長を指差した。


 「ええーっ?!」


 マジか。

 部長、普通に既婚者なのかと思ってたよ。


 話題がひと段落すると、利益率の話になった。売り上げてる人もそうじゃない人も、楽しそうだ。


 「なんか、めっちゃ不動産業界」

 俺は指でファインダーを作った。

 

 飲み会はまだ続きそうだったが、俺は家の事が気になってしまって、一次会で解放してもらった。



 ♦︎



 「お帰りなさい」

 玄関ドアを開けると、桜藍がお出迎えしてくれる。


 寝ろと言っても、言うことを聞かない。

 でも、俺もそんな毎日に甘えてしまっている。


 「ただいま」


 「春馬さん、遅いです。って……」


 桜藍の笑顔が曇った。

 目が赤くなる。


 さっきまでの幸せな気分が一気に吹き飛んだ。


 「桜藍? どうしたの?」


 桜藍が俺を睨んだ。


 「春馬さんから、女の子の匂いがする……」


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