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寝取られて壊れた俺に、あの子がいびつにハマってくる♦︎♦︎♦︎義妹を養うために、ブラック業界(不動産)で頑張ります!  作者: 白井 緒望


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第22話 たまには。

 最近、桜藍が顔を合わせてくれない。

 もしかして、仕事し過ぎてるのかな。


 すぐに目を逸らされる。


 最近は恋育もできてないし。

 理想の女の子に必要なのは、優しい心。


 だから、外出に誘うことにした。

 エプロン姿の桜藍に声をかけた。


 「桜藍。明日、映画を観に行かない?」

 自分の言葉なのに、心拍数が跳ね上がる。


 桜藍は、丁寧にエプロンを外した。

 「わたしも、映画を観たいって思ってたんです」



 「はぁー」

 自室に戻った俺はベッドに身体を投げ出した、


 こんなにドキドキしたのは、いつ以来だろう。


 手を握りしめる。

 こういう感覚、忘れたくない。


 

 タタッと階段を上がる音。


 「何を観にいきます?」

 桜藍がドア越しに聞いてきた。


 「なんでもいいけれど」


 すると、桜藍の声がくぐもった。

 「そんなのダメです。デートのサイトに『計画をたてるところからデートははじまってる』って書いてありましたもん」


 「これ、デートなの?」


 カラン。

 桜藍が何かを落とす音。


 「ち、違います。これはそう、『逢引き』です」


 「そうか、分かった。デートって単に約束って意味だったんだけど」


 「ええっ、そうなんですか?」


 「ごめんな。桜藍が英語苦手なの忘れてたわ」


 桜藍がドアをポカポカと叩いた。


 「わたしだって、誰かにプロポーズする時は、英語でしちゃうんですからっ!」


 「たとえば?」


 「えっ? えーと。大好きな人に、ラブorライク? とか聞いて指輪をはめて貰うんです」


 「ふむふむ。簡単な単語で攻めてきたね。うちの桜藍は、案外、ロマンチストと」


 ドアを叩く音が止まった。

 「もう、一緒に遊びに行きません!」


 「ごめんー。冗談だよ」


 「そうですよぉ。そんなに馬鹿にしてると、自分がいつか後悔するんですからね」


 「ってか、部屋に入ってきたら?」


 結局、映画は、最近CMで流れてるやつにした。



 ♦︎


 日曜日の約束した時間に、それぞれの部屋で準備をして玄関で落ち合う。それは、日常の延長なのに、ひどく新鮮だった。


 桜藍が片足をあげて、サンダルのベルトを足首のところで留める。すると、銀色の髪の毛が、肩を滑ってさらりと落ちた。


 自分の視線が、真っ白で細い足首に釘付けになっていることに気づいて、俺は視線を逸らした。


 「どうしました?」

 桜藍が髪の毛をかきあげて耳に挟む。


 「いや、なんでも」


 『見惚みほれてしまった』なんて言ったら、明日から気まずくなってしまう。


 (俺が桜藍と同い年だったらなぁ)


 家をでると、桜藍が振り返った。

 長めの袖から、ネイルの先だけがチラリと見えている。


 今日の桜藍は、たぶん、すごくすごく背伸びをしてくれている。

 

 「春馬さん。今日は元カノさんのこと思い出したら……ダメですから」


 「しないよ」


 「本当?」

 袖口のリボンが揺れる。


 だから、たまにはいいよね?


 「桜藍が一番……可愛いから、思い出す必要ないし」


 

 

 


 

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