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俺の能力、便意操作なんだが  作者: ぬふへほ
白守美里の章
337/365

バレてたの

「隠してること?あたしが?なに言ってるんですか柊先輩」


喉からやっとだした声で、冷静を装いながらあたしはそう言った


さっきとは別の意味で心臓の鼓動が早くなる


柊先輩はなにも言わず、あたしを真っ直ぐに見ている


「あたしが柊先輩に隠し事するわけないじゃないですか!」


嘘をついてるからか、やけに喉が渇く

あたしはそう言いながらビールを一口喉に流し込む


「本当にか?」


見透かしてるような目で柊先輩はそう言った


「あ!もしかして最近また少し太ったことですかね。それは確かに隠してましたけど」


「誤魔化すんじゃねぇよ。お前が言わないなら俺が言ってやる」


あたしは息を飲んだ…


「お前上条と会ってただろ」


そう言った柊先輩の目は鋭く、あたしはまともにみることができない


やばい…本当にバレてる…なんで?


「上条と?柊先輩と病院一緒に行ったとき以外会ってないですよ」


「組織のやつに聞いたんだけどよ。お前が俺に"上条と面会できるそうです"って言った前の日に、組織のやつがお前に面会できることを伝えてたらしいな」


「そうでしたっけ?ちょっと覚えてないですけど」


「とぼけんなよ。ホントに伝えられたその日にお前は、学校の先生と娘の進路のことで話さなきゃいけないって言って昼で帰ったよな?」


「あぁ、だからですよ。その用事があったので、面会の件は次の日にしようって思ったんでした」


「お前嘘つくの上手くなったな。でも俺には通用しねえぞ」


「別に嘘はついてないですから」


「あのときからおかしいと思ってたんだよ。あのときお前は"早く帰ってアカリと過ごしたらいいですよ"なんて言ったけど、お前がそんなこと言うわけがねえ。俺を確実に早く返すためにそう言ったんだろ?」


「なんであたしがそう言うわけないと思うんですか?普通に奥さんと過ごしたらいいって言うでしょ」


そう言いながらあたしはまたビールを口に運ぶ


「手震えてるぞ?」


柊先輩に言われた通り、あたしの手は震えていた

動揺しているのが自分でもわかった


すぐにビールジョッキをテーブルに置く


「柊先輩が変なこと言うからですよ。本当になにもないのに」


「お前と上条に会いに行った時、上条は俺とだけ会話してたろ。まるでお前がいないみたいに」


「それはそうですよ。柊先輩が色々上条に聞いたから、上条もそれに答えていたわけで。あたしはただ居ただけですもん」


「それにしてもお前のことを眼中に入れようとすらしてなかったぞ?まるで意識してるような思春期の男みたいな」


「だったら上条はあたしを意識してたんじゃないですか?」


「それか前の日にお前ともう会っているからか」


「だから会ってませんて!柊先輩も疑り深いですね」


「あのな…。上条に面会行った帰りに、俺トイレ行くっていって、病院の玄関で待たせてただろ?」


「はい」


「あのとき病院の受付の人に聞いたんだよ。"昨日も上条にあの女が会いにきませんでしたか?"って」


あたしの心臓が痛いくらいに鼓動する


「そしたら受付の人は"たしかに来ました"って言ってたぞ?」


「…………」


「沈黙は答えになるぞ?」


「か、上条じゃなくて……、学校の先生が病院にいるからそこでって……」


「苦しい言い訳だな。病院に行ってたのは認めたんだな」


「本当に先生に会いにですよ……」


「悪いな。カマかけたんだわ。受付の人に聞いたのはホントだけどよ、"そういうのはお答えできません"って言われたんだわ。でも病院に行ってたのは本当だったみたいだな」


もうダメ…

隠しきれない…


あたしはもうなにも言えなくなった


よく考えてみたら、柊先輩は悪魔じみた強さはもちろんだけど

洞察力もすごかったんだ…


柊先輩と上条に会った日に、受付の人に確認を取ろうとしたってことは、その前から疑ってたってことだ


「いつから疑ってたんですか……?」


あたしがそう聞くと柊先輩はビールをグビグビと飲んだ


「最初はさっき言った通り、アカリと過ごしたらいいって言われたときに"ん?"って違和感を覚えたんだ」


「はい…」


「でもそのときは、なんでそんなこと言ったかわかんねぇし。でも次の日お前から"上条と面会できるそうですよ"って言われたとき、昨日の違和感が際立ったんだ」


「それで疑ったんですか?」


「いや、さすがにまだだ。そして病院に行って受付の人に上条の部屋を教えてもらったよな?4階のどこどこですって、そのときエレベーターとかどこにあるかわからなかったけど、お前はスタスタ歩いて行ってエレベーターのボタンを押してくれたよな?」


たしかにそうだった…

上条がちゃんとあたしとの約束通り、柊先輩に嘘ついてくれるのか心配でそこまで頭が回ってなかった


「だから俺は思ったんだよ。白守はこの病院きたことあるのか?って。そして上条に会ったときはお前らは何も言わねぇし。こんだけ材料が揃ったらそら疑うだろ。病院の受付の人は教えてくれなかったけど、組織に戻ってから受付の人に聞いたら、上条が退院したことは前の日にお前に伝えてたって言ってたし」


すごい…

もうお見事としか言えない…


あたしは俯き

「さすがですね…柊先輩…」

と言った


「嘘つくの上手くなったけどな…。俺から言わせたらまだまだ下手くそなんだよ…」


そう言って柊先輩は静かにビールを飲んだ


あたしはもう何も言えず、ただ黙って俯いていた



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