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俺の能力、便意操作なんだが  作者: ぬふへほ
白守美里の章
336/365

約束のお食事なの

次の日の月曜日、組織につくと柊先輩がもう来ていた


「おはようございます柊先輩」


あたしは挨拶をしながらホッとする

今日も柊先輩は無事でよかった


そしていつも通り柊先輩の車に乗って、能力者の人達のところを周った


そしてお昼くらいにコンビニでパンを買って二人で食べてたときだ


「ああ、そうだ。この前約束した、飯食いに行くってやつ」


「あー、はい。しましたね」


「それ、今日とかどうだ?」


あたしは突然のことで一瞬固まってしまった


「いや、用事とかあるならまた今度でいいんだが」


「行きます!もちろん行きますよ!」


その通り!断るわけないじゃん!!


「そっか。じゃあ今日仕事が終わったら行こう」


「どこに連れてってくれるんですか?あ!待ってください!やっぱり直前まで楽しみにしてたいので、言わなくていいです」


ものすごく気分が上がってくる

柊先輩と晩ご飯を食べにいけるなんて…


オシャレなお店がいいってあたし言ったよね?

早く仕事終わらないかな


あ!そうだ!


あたしは携帯電話を取り出し、LINEを開く


そして


[今日仕事で遅くなるからご飯はいらないから。あと何時に帰れるかわからないから寝てていいからね]


と打ち、健一くんに送った


まぁないとは思うけどね

でももしかしたら泊まることもあるかもしれないし…


ヤバい…。ものすごくドキドキしてる…


すぐに健一くんから

[了解です。お仕事頑張ってください]

と返信がきた


こんなの不倫してるのとなにも変わらないが

罪悪感とかはなかった


本当に好きな人と一緒にいれる喜び

ただそれだけ…



もう日が沈み、暗くなる頃に仕事が終わる


「よし、じゃあ行くか」


「はい!」


車に乗り込むと、柊先輩は車を走らせた

そして車は、飲み屋街の方に走っていった


この辺にオシャレなお店とかあったっけ?


そんなことを考えていると、近くにあった駐車場に車を停めた


「ここからすぐそこだから」


そう言って柊先輩は車を降りた

あたしも車を降りると、柊先輩は歩き出した


柊先輩の背中を見ながら小走りでついていく


ずっと見てきた背中だ…

なんか懐かしいな


するとピタッと柊先輩は止まった


「ここだよここ。近かったろ?」


あたしは立ち止まった店を見る


焼鳥と書いてある赤提灯

店の看板には"呑んべぇ"と書いてあった


「え?ここですか?オシャレなお店じゃ…」


「オシャレな店ってのがよくわかんなくってよぉ」


「イタリアンとかフレンチとか、夜景の見えるレストランみたいな…」


「あー、そんなの俺に言ってもな。ここはマジで美味いから安心しろ。イタリアンなんかよりよっぽど満足できるぞ」


まぁなんとなく柊先輩にそういうオシャレなところは無理だと思ってましたよ


でも雰囲気とかを味わいたいじゃない

それなのに、こんなお店って…


あたしは少し膨れっ面になるが、柊先輩はそれにも気づかずにお店のドアを開けた


「いらっしゃいませぇ!」


男性の声が聞こえ

柊先輩とあたしがお店の中に入ると、カウンターの中にいた男性が


「おぉ!柊さん!久しぶりだな!」


と柊先輩に手をあげた


「おお、大将。つっても2ヶ月くらいだろ」


と言って柊先輩は笑った


「そうだったな!」


そう言った大将と目が合ったので、あたしはお辞儀をした


「お、おい柊さん。その美人な人もしかして奥さんか?」


その瞬間あたしはものすごく嬉しくなった


美人と言われたことじゃない

柊先輩の奥さんって言われたことにだ


「違ぇよ。今一緒に仕事してる仲間だよ」


「あれ?たしか柊さん会社勤めやめて前働いてたとこに戻るって…」


「そうそう。だからその前に一緒に働いてた人だ」


「もしかして…あの…柊さんがよく言ってた…」


大将が何かを言おうとすると、柊先輩は人差し指を自分の口の前にやり


「シー!!」


と言って手をブンブンさせた


ん?あたしのこと?

それとも組織のこととか話してたのかな


「あ、悪い。まぁなんにせよ柊さんが人を連れてくるなんて初めてだからな。いつもはカウンターで呑んでたけど、今日は奥の座敷使ってくれ」


そう言って大将は奥の座敷に案内した


「柊先輩、ここに誰も連れてきたことないんですか?奥さんも?」


「ねぇよ。サラリーマンやってたとき、給料日になるとここで、自分へのご褒美としてチビチビ呑むのが好きだったんだ。俺の癒しの場でもあるな」


あたしの気分はさらに良くなり、抑えきれず笑みが溢れる

奥さんも誰も連れてきたことない場所に、あたしを連れてきてくれたんだ


「よく見るとめちゃくちゃ素敵なお店ですね。あたしも気に入りました」


「だろ?ここの焼き鳥は世界一美味いから楽しみにしてろよ」


柊先輩も嬉しそうにそう言った


二人でビールと焼き鳥の盛り合わせを頼んだ


先にビールが届き、二人で乾杯する


柊先輩もビールを飲んでるってことは…

もしかしてお泊まりもある…?


あたし、今日の下着見られてもいいやつだっけ?

たしか大丈夫なはずだ


そんなやましい事を考えて呑んでると、盛り合わせも届く


「ほら、食ってみろ」


柊先輩に勧められた焼き鳥を食べる


「美味しい!先輩!すごく美味しいですよ!!」


お世辞抜きで今まで食べたどの焼き鳥より美味しかった


「そうだろ?ほらもっと食え」


そう言ってニコニコしながら柊先輩はビールを呑んでいた


あたしは色んな焼き鳥を食べる

どれも本当に美味しい


それに目の前には柊先輩がいる


もうこれだけで幸せな気持ちになれる


それからしばらくした時に


「白守……あのさ…」


と柊先輩が少し静かな口調であたしを呼んだ


あたしは口の中にあるビールを飲み込み、柊先輩を見ると、柊先輩は真面目な顔をしていた


「はい?」


そんな顔をしてどうしたんだろう…

もしかして柊先輩もあたしのことを…


心臓の鼓動が早まるのがわかる


そしてゆっくり柊先輩は口を開いた


「お前俺に隠してることがあるだろ」


そう言われた瞬間、あたしの時間が止まったような感覚に陥る


柊先輩の真面目な顔は、鋭くあたしを真っ直ぐ見ていた




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