イヤな予感なの
そこからは本当に早かった
上条とかいう未来を視れる能力者も、柊先輩の前では無力だった
それより驚いたのはヤクザの世界でも柊先輩は有名だってこと
烏丸組の組長が柊先輩のことを知っていた
なんでも昔、関東全体を仕切っていた大きな組を1人で潰したとか…
ホントにこの人は…
どんなことでもなんとかしてくれそうな気がしてる
こんな人のそばにいて、惚れないほうがおかしいって…
あたしはそう自分で言い訳をしていた
烏丸組の事件から数日経ったときだ
いつものように朝目が覚めて、リビングに行く
健一くんがいつも通りコーヒーを持ってきてくれる
「美里さん。おはようございます。今日は遅かったですね」
「おはよ…」
またあのときの柊先輩と氷室の夢を見ていて寝起きが悪かった
「美琴はもう学校行きましたよ」
あぁ、晴翔くんとヨリを戻したからね
早く会いたいんでしょ
「朝ご飯食べれそうなら言ってください。すぐ用意するんで」
「んー、ありがと…」
あたしはコーヒーを一口飲むと、テレビをつけた
そしてボーッとニュースを見る
『続いてのニュースです。昨日午後、〇〇市にある指定暴力団の事務所に何者かが侵入し、関係者が負傷する事件がありました。この事件で、関係者とみられる複数人が負傷し、組織のトップを含む4人の死亡が確認されました』
眠気が吹き飛ぶ
〇〇市にある指定暴力団って…
烏丸組のことだ!
『亡くなったのは組織トップの宮内茂夫氏63歳と組員3名の計4人で、警察は他の暴力団とのトラブルを視野に捜査を進めていくそうです』
そう言って画面には亡くなった人の名前と顔写真が出る
襲撃って…上条がいるのよ
あの人の能力ならこんなことにはならないような…
柊先輩ならともかく、普通の人には無理
他のヤクザの襲撃とは考えにくい
襲撃した人も能力者とかじゃないと…
ものすごくイヤな予感がする…
あのときの氷室の不気味な笑顔が頭に浮かんだ
「健一くんごめん。朝ご飯はいいや、すぐ組織に行かないと」
「わかりました。送っていきますよ」
あたしは急いで準備をして組織に向かった
組織に着くともう柊先輩は来ていた
柊先輩はあたしの顔を見るなり
「白守。お前ニュース見たか?」
と聞いてきた
「はい。烏丸組が襲撃されたって…」
「ああ、あの上条ってやつはなかなかにやる男だ。それなのにあんな被害になるなんて能力者が関わっているとしか考えられん」
「あたしもそう思ったんですけど…能力者って…」
「スキャヴが動き出した可能性もあるな…」
さっきからずっとあたしも思ってたことだ…
スキャヴじゃなきゃいいのにって…
「とりあえず無事な組員に話を聞きに行かなきゃな。上条も死んではないから上条からも話を聞かないと」
ダメ…
もしスキャヴなら柊先輩はどうするの?
「白守。とりあえずお前は片っ端から病院に電話しまくって烏丸組が入院してる病院を探しておいてくれ。俺は直接烏丸組に行ってみる」
ダメ…
柊先輩を一人にさせたくない
「あたしも柊先輩と一緒に行きますよ!病院を調べるのは組織の誰かにお願いしときますんで」
「んんん…、わかった。すぐ向かうぞ」
「はい!」
もしスキャヴの仕業なんだとしたら…
あたしがなんとかしなきゃ




