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俺の能力、便意操作なんだが  作者: ぬふへほ
白守美里の章
319/365

熊谷守の能力なの

「おい、なんの用だよ。こんなとこ呼び出してよ」


柊先輩は不機嫌そうだった


晴翔くんが一命を取り留めたけど、まだ目を覚ましてない状況だ

仕方がない…


「お前らを呼んだのは"約束"が欲しいからだ」


氷室がそう言った


「約束?なんの約束だよ。お前らスキャヴは解放するって約束しただろ」


「あぁ、でも解放した直後にすぐお前に捕まえられる可能性があるからな」


「そんなことしねぇよ。安心しとけ」


「安心できるかよ!お前のせいで20年近くぶち込まれてたんだぞ!」


「だったらどうしろって言うんだよ!」


氷室は柊先輩のその言葉を待っていたかのようにニヤリと笑った


「コイツと約束しろ。おいっ」


氷室はそう言って隣にいたゴツくてデカい男にアゴで合図をだした


そのデカい男は

「ウス」

と言って一歩前に出た


「コイツは熊谷守くまがいまもる。コイツの能力で約束を守ってもらう」


「はあ?そいつの能力だと!?」


「ああ、コイツの能力は"指切りげんまん"だ。コイツと約束をして、破った者は罰を与えられる」


「罰ってアレか?針千本飲まされるのか?」


「お前の場合、針千本飲ませた所で死ななそうだからな、針一万本心臓に刺すってのはどうだ?」


「アホくさ。なんでそんな取り決めしなきゃいけないんだよ」


たしかに柊先輩の言う通りだ

わざわざそんな危ないことを約束する意味がない


「なんだ?やっぱり約束を守る気がないのか?やっぱり信用できねぇヤツらだ。こっちはわざわざ熊谷の能力を教えてやったのに」


「そもそもどんな約束だよ」


「俺らスキャヴを解放してから最低でも一日…、いや半日は放っておいてくれよ。そしたら俺らも安心だ」


「半日だけでいいのか?それならまぁいいか」


「よし。熊谷の能力も相手にちゃんと同意してもらわないと発動しないからな。お前らどちらかがそのことを熊谷と約束しろ」


どちらかって…


「じゃああたしが…」


あたしがそう言って前に出ようとすると、柊先輩はあたしを止めた


「俺がそいつと約束する」


「でも…先輩…」


「もともと普通に約束は守るつもりだったし大丈夫だ。おい!能力の効果は半日なんだろ?」


「そういう取り決めにしたらそうなる。俺らは半日だけでも安全を確保したいから、それで約束してもらうつもりだ」


「な?大丈夫だって」


そう言って柊先輩はあたしにニッコリ笑った


でもなにか胸騒ぎがする…


「よし、じゃあさっさとやっちまおうぜ」


あたしの心配をよそに柊先輩はそう言って氷室達の方を向いた


「じゃあ柊陽介。熊谷と小指を繋げ。指切りの状態だ」


氷室に言われた通りに、柊先輩は熊谷とガッシリ小指を結んだ


「じゃあ柊陽介。俺が言ったことに同意するなら同意すると言え。わかったか?」


氷室がそう言うと、柊先輩は頷いた

そして氷室が続ける


「俺らは半日だけでも安心が欲しい。だから約束しろ。俺らを解放したら半日は俺らに手を出すな!同意するか?」


「ああ、同意する」


すると今度は熊谷が口を開いた


「柊陽介…。もう一度確認だ…。俺らスキャヴを解放し…、そして手を出さない。同意するか?」


「だから同意するって」


「指切りげんまん…嘘ついたら…針一万本、心臓に突き刺さす……指切った」


そう熊谷が言った瞬間、柊先輩が一瞬苦痛の表情を浮かべ、左胸を押さえた


なにかされたの!?


「安心しろ。約束が無事に取り付けられた証拠だ。柊の左胸にバツ印の刻印がついただけだ」


氷室がそう言うと、柊先輩はシャツのボタンを外し左胸のところをめくった


柊先輩の左胸にバツマークみたいな模様が浮かび上がっている


「フフフ…、ハハハハハハ!!!」


突然氷室が笑い出した

そしてこちらを向いて言った


「引っかかったな!柊陽介!!」


どうやらあたしの胸騒ぎは正しかったみたいだ…




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