氷室が怪しいの
あの日…あたしは組織の人から連絡をもらい、朝早くからある場所に向かっていた
ある場所とは金守家で所有している、地下の牢獄だ
そこの牢獄は特殊で、中に入っていると誰も能力を使えない
能力者を閉じ込めておくにはおあつらえ向きってわけ
金守家と組織は、あたしが組織に入る前から関係があったらしく、この牢獄を組織で使わせてくれていた
そこにスキャヴも…
そしてあたしの元旦那の相澤明も閉じ込められている
その場所に着くと、あたしはタクシーを降りた
少し歩き地下への入り口になる所にいくと、氷室清次郎の姿が見えた
あたしは慌ててそこに駆け寄る
「氷室!なにしに来たの!?」
あたしの声に気づいたのか氷室は振り返る
そしてニヤリと笑った
「おお!白守美里!俺は解放してくれたお前にお礼を言いに来たんだ」
「くっ…、ふざけないで。またすぐにブチ込むわよ」
氷室の隣にガタイのいい男がいた
こいつもスキャヴの一員なのか?
能力者だってことは、あたしの能力でわかる
「落ち着けよ。今日は残りの仲間も解放してくれるんだろ?だから迎えにきたんだよ」
「もしかしてアンタが組織の人使って、あたしを早くここに来させた?」
「ああ、そうだ。お前とあと柊陽介にも用があるからな」
「柊先輩にも…?柊先輩もここに来るの?」
「ああ、だからもう少し待て。本題は柊陽介が来てからにする」
あたしは氷室と少し距離を取って待つことにした
氷室の能力はもう知っているし、今のあたしなら負けることはない
だけど、隣にいるガタイのいい男の能力はわからないし、迂闊には近づけない
でも、柊先輩も呼んでるってことは戦うつもりはないと思う
柊先輩には勝てないって氷室だって身に染みてわかってるはず
だったらなんで?
なんで昨日解放されたのにわざわざ戻ってきて、そして柊先輩のことまで呼ぶの?
不気味…
そんなことを思っていると、氷室が舐めるようにあたしを見て話しかけてきた
「お前、歳とったのに相変わらず綺麗だな。一発ヤラせろよ」
「冗談は顔だけにして」
「色気も出てきな。あのときはまだガキだったのによ。いろんな男に教えてもらったのか?」
「………」
「無視すんなよ。どうだ?俺の女になる気はねえか?」
「なるわけないでしょ。黙ってないと叩き潰すわよ」
「おお怖え、まあ俺の女になるならいつでも言えよ。最高の快感を教えてやるぜ」
あたしは無視をした
するとその時、ものすごい勢いで車がこっちにきた
柊先輩だ!
思ったとおり、車から柊先輩が降りるとこっちに向かって歩いてきた
さっきまで余裕そうだった氷室も緊張してきたのか、表情が変わったのがわかった




