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「アイツの息子を捕まえるだと?バカだろ」
上条は呆れた顔で言った
「アイツの息子を攫ったら、それこそアイツの逆鱗に触れちまうだろ!」
そう言っても氷室は怪しい笑みを浮かべているだけだ
「知らなかったとはいえ、あいつの息子をここの事務所に連れてきたらこの有り様だぞ?組ごと潰されるとこだった」
「ああ、そうだな。でもな……大丈夫なんだよ」
「なにが大丈夫なんだよ」
「柊陽介は俺らに手を出せない。そういう約束をしたからな」
上条はそれを聞いて思わず吹き出してしまった
「本気で言ってるのかそれ?笑わせんなよ。アイツが約束を破るとは思わないのか?」
「まさしくそれが狙いなんだよ」
「はあ?ちゃんとわかるように説明しろ!」
イライラした上条は氷室にそう言った
すると氷室は後ろを振り向き
「おい、熊谷」
と後ろにいる仲間に声をかけアゴで指示をする
すると一人のゴツくてでかい男が
「ウス…」
と返事をして氷室の横まで歩いてきた
「コイツは熊谷守。俺らスキャヴのメンバーなんだが、コイツの能力を使った」
「どんな能力だ?」
「コイツの能力は"指切りげんまん"だ」
「はぁ?何言ってんだ?」
「コイツと指切りげんまんをして、約束を破ると罰がくだるようになってる」
「…………」
「俺らが解放されるときに柊陽介とコイツとで約束させたんだ。これから先、俺らスキャヴに手を出すなと……。指切りげんまん嘘ついたら針1万本心臓に突き刺すってな」
「なるほどな。約束を破ったら実際に心臓がズタズタになるってことか?」
「あぁそうだ。柊陽介の左胸に約束の刻印がある。これで俺らは柊陽介に狙われることはない。注意すべきは柊陽介だけだからな」
「だったらそれでいいじゃねえかよ。わざわざ息子を捕まえなくても。お前らは自由なんだろ?」
「念には念を入れてだよ。それに俺を20年も牢獄に閉じ込めたんだ。許せねぇだろ…」
氷室は怒りの表情を浮かべた
「それで息子を攫ってどうするんだ?アイツ以外の人間…、さっき言ってたサーフとやらが助けに来るんじゃないのか?」
「だから上条、お前が必要なんだよ!何日か前からお前とこの組のことは調べてた。そしたらまさか昨日ここに柊陽介が襲撃してくるとはな。俺にとっちゃラッキーだ。お前らだって柊陽介に恨みがあるだろ?」
「…………」
「俺らスキャヴの仲間になれ。そして柊陽介の息子、晴翔を攫ってこい。それだけでいい」
「それだけ?」
「あぁ、それだけだ。それだけで柊陽介は死ぬことになる」
「どういうことだ?」
「お前らが息子を攫うと、昨日の復讐だと柊陽介は思うだろ?また助けにくるさ、必ず。そしてお前に手を出す……」
「なるほどな…。俺はスキャヴの仲間になってるから、俺に手を出すってことは約束を破ることになる」
「そういうこと。察しが良くて助かるぜ」
そのとき上条の治療をしていた不破が手を引っ込めた
「終わりました」
上条は立ち上がって体を捻ってみる
「おお、すげえな。完璧に治ってる」
そして上条はタバコを咥えて火をつけた
「感謝はするが、さっきの答えはノーだ。お前らの仲間になる気はねえ」
上条はゆっくり煙を吐きながらそう言った
「バカか?お前ら柊陽介を恨んでないのか?」
「そんな汚ねぇやり方じゃなくて、俺は自分でぶん殴らないと気がすまねぇな」
氷室は怒りの形相で立ち上がる
「実は俺も未来が視えるんだよ……」
氷室は上条を睨みつけた
「お前死んだぞ」




