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烏丸組事務所
「柊陽介を殺すだと?」
烏丸組の若頭、上条秀馬が目の前の男にそう聞いた
冷たい表情をした男はニヤリと笑い
「あぁ…」
とだけ言った
柊陽介を殺す?コイツらが?
昨日俺は柊陽介の強さを実際に体感した
あれはオヤジの言う通り"バケモノ"だ
コイツらが何人いようが、柊陽介を殺せるとは思えん
上条は鼻で笑うと、柊陽介にやられた胸が痛み、咄嗟に胸を押さえた
「昨日、柊陽介にやられたみてぇだな。もう噂になってるぞ」
目の前の男がそう言うと、仲間にアゴでなにか合図をだした
すると仲間の一人が、上条に近づいてきた
上条は咄嗟に身構えて、上条の能力
"30秒先を視る能力"を発動させる
「大丈夫だよ。そいつは不破亮太。ヒーリング能力っつうの?お前が柊陽介にやられたところを治してやる」
リーダーみたいな男がそう言うと、不破亮太は
「いいか?触るぞ?」
と聞いてきた
上条は能力を発動させたが、とくに怪しい動きをされる未来は視えなかった
不破が上条の胸あたりに触ると
「あー、何本かポッキリ折れてるな。まぁ粉々じゃないから20分もしないで治せる」
と言った
そして上条は胸の辺りが温かくなるのを感じた
「上条、そのままでいいから本題に戻そう」
リーダーみたいな男が上条の顔を真剣に見る
「まず名前を名乗れよ。俺だけ名前が知られてるってのは不公平じゃねぇか?」
「ああ、そうだったな。俺の名前は氷室清次郎。スキャヴと呼ばれているこのグループを仕切ってる」
「へぇそうかい。氷室さんよぉ…正直に言うとアンタらじゃ、あのバケモノ…柊陽介を殺せるとは思えないんだが?」
「あぁ、そうだろうな。実際俺らも柊陽介一人に十数人捕まえられた。そして20年くらい牢獄に入れられてたんだよ」
「刑期を終えたのか?」
「刑期?そんなもんはねぇ。もし普通に俺らが捕まったら死刑になってもおかしくないくらいのことをしてきてる。俺らが捕まってたのは"サーフ"っていう組織にだ」
「サーフ?なんだそれ?」
「能力者を監視する組織があるんだよ。柊陽介もそこで働いてたんだ」
「なるほどな、それでそのサーフとか言う組織に捕まってたってことか。それでどうやってシャバにでてきた?」
「そこの不破が、組織のやつと取引をしてくれてよ。晴れて俺らは自由の身ってわけだ」
「お前ら普通に捕まったら死刑になるくらい色々やらかしてんだろ?どんな取引をしたってんだ?」
上条がそう聞くと、氷室はニヤリと笑った
「柊陽介の息子が死にかけててよ。たまたま不破が近くにいたんだ」
柊陽介の息子?
昨日のあのガキか…
「あぁ、それで?」
「それで柊陽介に泣いてお願いされたんだよ。『お願い!息子を助けて』ってな」
「それで取引をしたってことか…。でも柊陽介がそれで取引をしたとしても、組織は許すか?たったガキ一人の命だろ?」
「許すしかないだろ。柊陽介に取引に応じなければ組織を潰すって脅されたんだぞ?」
「なるほどな…」
「これでわかっただろ?柊陽介の弱点があるとすればそれは息子だ。かわいい一人息子だ。その息子のためならなんでもするぞ?」
そう言った氷室は気持ちの悪い笑みを浮かべた
そしてさらに続ける
「だから狙うなら"柊晴翔"だ。まずは柊晴翔を捕まえる」




