外伝 十種族と千種族大祭
ヤマナギ。
十種族が集う島国。
そして。
千種族大祭の開催地。
年に一度。
十種族の代表者達が集まり。
種族間の問題や交流について話し合う。
それが十種会議である。
■ 人族
代表
アマギ・ソウエン
交流と商業を重んじる種族。
嘘は悪い。
だが。
時には必要でもある。
現実的で柔軟な価値観を持つ。
主な議題
・他種族との交易
・他種族との交流
・技術共有
■ 耳長族
代表
エルフィア・ルーン
歴史と記録を守る種族。
事実を残し。
真実を伝える。
故に。
嘘は罪である。
主な議題
・歴史資料保全
・禁書管理
・古文書管理
■ 獣人族
代表
グラド・フェン
強さを重んじる種族。
負けを認める事は恥ではない。
だが。
弱さを隠す嘘は嫌う。
主な議題
・魔獣被害
・若者育成
・国境警備
■ 海人族
代表
トール・ナギ
海と共に生きる種族。
生き残るための嘘。
仲間を守るための嘘。
それらは否定しない。
海は綺麗事だけでは渡れない。
主な議題
・海路整備
・海賊対策
・物流管理
■ 小人族
代表
神匠ドワル
契約と職人の種族。
約束は絶対。
契約の嘘は最大の罪。
主な議題
・技術共有
・工房交流
・契約規格統一
■ 竜人族
代表
ラグナ・“テュポン”・ドラグ
誇りを重んじる種族。
誇張。
虚勢。
見栄。
それらを恥とする。
主な議題
・武術交流
・防衛協定
・若手育成
■ 翼人族
代表
ツヅリ・アマツ
芸術と表現を愛する種族。
舞台。
歌。
劇。
仮面。
演じる事は文化である。
だから彼らは問う。
役を演じる事は本当に嘘なのか。
主な議題
・芸術交流
・劇団交流
・文化保護
■ 森人族
代表
ミサネ
共同体を重んじる種族。
仲間を守るための嘘ならば善。
家族を守るための嘘ならば善。
主な議題
・森林保護
・共同体支援
・移住問題
■ 鉱人族
代表
『オリハルコン』バルク
合理を重んじる種族。
重要なのは結果。
嘘か真実かではない。
成果が全てである。
主な議題
・鉱山管理
・魔石流通
・資源配分
■ 妖精族
代表
女王ルルフェ
物語を愛する種族。
嘘を楽しむ。
物語を楽しむ。
だが。
悪意ある嘘は嫌う。
主な議題
・祭事運営
・妖精契約
・物語継承
十種族。
十の価値観。
十の正しさ。
しかし。
ヤマナギには共通する教えがある。
何人たりとも姿を偽る事なかれ。
だが。
その意味は種族ごとに違う。
ある者は嘘を罪とし。
ある者は嘘を必要とし。
ある者は演じる事を嘘と呼ばず。
ある者は仲間を守る嘘を善とする。
だからこそ。
十種会議は存在する。
違う者同士が。
互いを知るために。
そして今年。
十種会議には例年にない議題が持ち込まれていた。
参加者の急増。
王立リスティア魔導学園との交流。
若者同士の種族交流。
そして。
海路異常。
正式な議題ではない。
だが。
海人族代表トール・ナギだけは気付いていた。
海が騒がしい。
嵐の前のように。
まだ空は晴れている。
それでも。
海だけが知っている事がある。
誰も知らない。
サクラ教団。
偽サクラ計画。
開花装置。
そして。
鷹乃つめになろうとしている、
一人の黒髪の少女が。
既にヤマナギへ向かっている事を。




