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無限の影  作者: Nick Occam


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第二十六章 旅は道連れ世は情け

一行が村に入ったときには、もう日が暮れかけていた。煙突からは細い煙が立ちのぼり、家並みの向こうでまた犬が吠える。背後の浅瀬では、川が低く水音を立てていた。通りの真ん中で一行を待っていたのは、村長を先頭にした数人の村人たちだった。


口ひげをたくわえ、膝まで届く顎ひげをのばした年配の男が、ゆっくりとリックに歩み寄った。老人の目はリックの身につけた印の上でしばし止まり、ベルトのサファイアが、夕闇の中で鈍く光った。村長は落ち着いた様子でうなずき、ひげの奥で微笑んだ。


「わしは、パンクラツ・フルトナーと申します」老人はひと呼吸おき、リチャードをゆっくりと眺めた。「なるほど……これが『大蛇(おろち)墜つ』と、その頭目、辺境伯リチャード・オッカム様ですか。お目にかかれて、光栄にございます」


老人はできるかぎり深く腰を折った。顎ひげの先が、もう少しで地面につきそうになる。それに続いて、村人たちも頭を下げた。


「こちらこそ、光栄です!」一行も頭を下げ返す。マトゥンも低くうなって、ひょいと首を下げる。いちばん近くにいた村人たちが、思わず後ずさった。


リチャードは村を見渡し、重いため息をついた。ほとんどどの壁にも、黒ずんだ古い板の上から、白っぽい新しい板が打ちつけられている。屋根にも、あちこち継ぎが当てられていた。


(どの家も継ぎはぎだらけだ……この村は、よほど頻繁にやられているらしい……)


リックは首を振り、表情を引き締めて老人に向き直った。


「パンクラツさん、教えてください」落ち着いた声で、彼は尋ねた。「襲われるようになって、もうどれくらいになるんです?」


村長は言葉に詰まった。顔から笑みが消え、指が思わず顎ひげの端を握りしめる。その後ろで、村人たちが顔を見合わせた。


「お気づきになりましたか……」パンクラツは、すぐには答えが出てこなかった。「ここはいちばん南の村でしてな。ここより南には、モンテスクーラとの境をなす壁があるだけです」


彼はしばらく黙り込んだ。やがて続けた声は、さっきより重かった。


「壁は敵を食い止めてくれますが、山賊どもはしょっちゅうやって来るんです……」老人は肩をすくめた。「王様が家を建て直すお金をくださっても、あいつらはまた奪っていく」


リックは老人の背中を軽く叩いた。


「心配いりません」心からの笑みが浮かぶ。「俺たちがいます。もう誰にも、手出しはさせません」


人々のあいだに、ほっとした吐息が広がった。笑みを浮かべる者さえいる。村長も微笑んだ。だが口を開いたとき、その声には絶望がにじんでいた。


「あなた方がいなくなれば、わしらを守ってくれる者は、もう誰もおりません」


通りに沈黙が落ちた。村人たちは黙ったまま、目に涙を浮かべて立ち尽くしている。


リチャードはベルトからサファイアの階級章を外し、もう片方の手で、何かの硬貨を放り上げた。窓の灯を受けてきらりと光ったそれを、リックは宙でつかみ取る。そして両方を老人の手に握らせると、顔を上げ、皆に聞こえるほどの声で言った。


「俺の徽章が、あなた方を守ります」


パンクラツは徽章を返そうとしたが、リックはただ、その手をそっと押し戻した。


「リチャード様、あなた様の階級章など、わしらには受け取れません……」老人は手のひらを開き、そこではじめて、徽章の隣に白と緑の硬貨があることに気づいた。目の前に近づけ、じっと見つめる。「この硬貨は、いったい……?」


リチャードは胸を張り、小さく笑った。


「もしこの徽章を恐れない者がいたら、そのお守りを通して、俺には敵の気配が分かります。すぐに駆けつけますよ。あるいは、仲間の誰かが」


すぐあとに、カグツチがうなずいた。眼窩の炭が、ぱっと明るく燃え上がる。マトゥンも前足を上げ、低くうなった。


村人たちと村長は、少しずつ落ち着きを取り戻していった。袖で目元をぬぐう者もいれば、隣の者と小声で言葉を交わす者もいる。パンクラツは、指先で硬貨をもてあそび続けていた。


「リチャード様、あなた方は皆、転移の魔法をお使いになるのですか?」リックの言葉を噛みしめるようにして、老人が尋ねた。


リチャードは、にっと笑ってみせただけだった。


「いいえ……」くすりと笑う。「俺が使うのは、転移よりずっと速い技です」


老人はぽかんと眉を上げた。その後ろに並ぶ村人たちの顔にも、同じ疑問が浮かんでいる。


「ほう?」パンクラツは考え込むように顎ひげをなでた。「つまり、あっという間に旅ができると?」


リックは笑みを崩さず、肩をすくめた。


「すみません。この技は、ひどく消耗するもので」


(言えるわけがない……この世界でそんなことをすれば、目をつけられたくない相手に、すぐ気づかれる……)リチャードは内心で鼻を鳴らした。


老人はしばらくリックを見つめていたが、やがてうなずき、静かに言った。


「分かります。誰にでも、秘密はあるものですからな……」


それからパンクラツは向きを変えた。村人たちが道を開け、彼は村の奥を手で示す。


「では、どうぞ。わしの家へお寄りください」そう言って、そっとリックの背を押す。「道中、さぞお腹をすかせておいででしょう」


食べ物の話を聞きつけたとたん、マトゥンは元気づき、老人を追い越して先へ駆け出した。少し行ったところで振り返り、村長がどこへ案内するのか、じっと目で探る。


リックは一瞬ためらった。けれど、背中に添えられた手のひらからはぬくもりと気づかいが伝わってきて、村長の気を悪くさせまいと、彼は逆らうのをやめた。それを感じ取ったパンクラツは前へ出て、落ち着いた足取りで皆を案内していく。


一行は、灯のともる継ぎはぎだらけの家々のあいだを抜け、村はずれへ出た。そこに村長の小屋が建っていた。そして遠く、深まる夕闇の中に、周囲をぐるりと壁で囲まれた三階建ての住居塔が、打ち捨てられたまま黒く浮かんでいた。


村長が大きな玄関の扉を押すと、扉は長く軋み、温かな空気と炉の煙のにおいが一行のほうへ流れ出てきた。


中は狭いが、居心地がよかった。炉では火がぱちぱちとはぜ、壁に影がゆらめく。天井からは、干した薬草の束がいくつも下がっていた。最後に戸口をくぐり抜けたマトゥンは、あたりを見回すと、さっそく炉のそば、鍋のすぐ近くに陣取った。


パンクラツは客人たちを食卓につかせ、せかせかと立ち働いた。卓にはパンと、濃いスープの鍋が並び、たちまち湯気が立ちのぼる。それを椀によそいながら、村長は申し訳なさそうに首を振った。


「どうかご勘弁を、リチャード様。これが精いっぱいでして」


「十分すぎるくらいです」リックはさじを手に取り、微笑んだ。「ありがとうございます、パンクラツさん」


マトゥンには、いちばん大きな椀があてがわれた。熊はそれを数口で空にし、口のまわりをなめると、期待のこもった目で村長をじっと見つめる。パンクラツはひげの奥で咳払いをひとつしたが、もう一杯、さらにもう一杯とよそってやり、とうとう鍋は空になった。


カグツチはゆっくりと食べていた。眼窩の炭が、薄暗がりの中で静かに瞬いている。言葉はほとんど交わされず、ただ炉の火がはぜ、壁の向こうでときおり犬が吠えるだけだった。長旅のあとのぬくもりがじわじわと体に広がり、リックの肩から力が抜け、息づかいも落ち着いていく。


最初の空腹がおさまると、リックはさじを置き、村長を見た。


「パンクラツさん、子どもたちがいなくなっているという話は、耳に入っていませんか? 噂でもかまいません」


パンに伸ばしかけた老人の手が、止まった。それからゆっくりと卓の上に手を下ろし、深いため息をつく。静まり返った部屋で、炉の火のはぜる音が、いやに大きく聞こえた。


「ずっと昔……わしは、娘を連れていかれました」老人は火を見つめたまま、しばらく黙った。「ありがたいことに、息子のほうは無事でしてな。大きくなって、今は都でお勤めをしております」


リックは目を伏せた。カグツチは食べる手を止め、眼窩の炭がふっと暗くなる。炉のそばのマトゥンまでが頭を上げ、静かになった。


村長は長いこと指でひげをしごいていたが、やがて、さっきより低い声で話しはじめた。


「噂なら……ございます。子どもをさらっているのは東の山並みの向こうの国だ、と言う者もいれば、竜の背骨山脈の向こうだ、と言う者もいる」彼は首を振った。「ですが、ただの噂です。ここへ立ち寄る冒険者や旅の者が、持ってくる話にすぎません」


「ありがとうございます、パンクラツさん」リックは静かに言った。


椀がすっかり空になると、村長はひと抱えの毛布を持ってきて、壁際に客人たちの寝床をこしらえた。カグツチは長椅子に体を伸ばし、マトゥンは炉のそばから動かずに丸くなって、すぐに寝息を立てはじめた。


リックはもうしばらく、窓辺に立っていた。村は静まりつつあり、窓の灯がひとつ、またひとつと消えていく。遠く、黒い屋根の向こうに、打ち捨てられた塔の影が黒々とそびえていた。


横になっても、眠りは訪れなかった。炉の火は落ち着き、熾火の赤い照り返しが天井をゆっくりと這っていく。目を閉じるたびに、またあの光景が浮かんだ。ギルドの受付台の向こうの、空っぽの椅子。昨日から誰も手をつけていない書類の山。あのとき彼はリーゼルの澄んだ声を待っていたのに、返ってきたのは静けさだけだった。


指が、思わず毛布の端を握りしめる。リックはライムントの目を思い出した。彼女と同じ目。ただ、不安だけに満ちた目。そして、その娘を救うと誓った自分の言葉を。それなのに、道は彼を街から遠ざけていくばかりだった。


(今、どこにいる、リーゼル……)


炉のそばでマトゥンが寝返りを打ち、眠たげにうなった。リックは長いこと、その規則正しい寝息と、冷えていく熾火のかすかな音に耳を傾けていた。壁の向こうで犬が最後にひと声吠え、村はすっかり静まり返った。眠りが訪れたのは、真夜中をとうに過ぎてからだった。


朝、リックは雄鶏の声で目を覚ました。鎧戸の隙間から灰色の光が差しこみ、パンクラツはもう炉の前で熾火を吹き起こしている。小屋の中には、焼きたてのパンの香りが漂っていた。


支度はすぐに済んだ。川からは朝の湿った冷気が流れてくる。戸口のところで、リックは夕食と一夜の宿の礼を言った。カグツチは黙って頭を下げ、マトゥンは近づいて老人の肩に鼻先を押しつける。老人はよろめき、声を立てて笑った。


リックは少しためらってから、ポケットに手を入れ、健一の目を盗んでこっそり取っておいた金貨を二枚、取り出した。


(あいつに見られなくてよかった……)


彼は金貨を老人の手のひらにのせ、自分の手でそっと包みこんだ。


「俺たちが戻るまでに、家を整えておいてもらえますか」


村長は手の中の金に目を落とし、目を丸くした。それからゆっくりと顔を上げ、壁の向こう、霧の中から浮かび上がる打ち捨てられた塔のほうを見やる。何か言おうと口を開きかけたが、リックは黙って首を横に振った。すると老人は、腰の許すかぎり背筋を伸ばし、深々と頭を下げた。


「必ずや、整えておきます。リチャード様」


浅瀬の上にまだ白い靄が漂ううちに、一行は南の道へ出た。戸口から顔をのぞかせた村人たちが、その背中を見送る。パンクラツはいつまでも戸口に立ち、金貨を握りしめていた。


南へ、果てしない草原を行く旅だった。ほどなく一行は道を外れ、腰より少し高い草のあいだを、まっすぐ分け入っていった。風が草の上に長い波を走らせ、茎がさらさらと音を立てて、熊の前に道を開ける。


野の獣たちが好奇心に駆られて近づいてきては、においを嗅いでいった。ときにはマトゥンが話を聞き終えるまで、長いこと待たねばならない。マトゥンが首をかしげて小さくうなると、獣のほうは鼻を鳴らし、耳を動かして、また鼻先を彼に伸ばすのだった。


さまざまな獣が、旅の道連れになった。二日目には、二頭の子熊を連れた母熊にまで出会った。母熊はかなり長いあいだマトゥンと肩を並べて歩き、二頭はうなり声で言葉を交わした。子熊たちは、とことことそのあとをついてくる。マトゥンはしきりにリックのほうを振り返り、そのたびに母熊も同じほうを振り返った。マトゥンと比べると、母熊はまるで子熊のようだった。


前方に山並みが立ち上がりはじめたころ、母熊は子熊たちを連れて、自分の道へ去っていった。リックはしばらくその場に立ち、近くの茂みの中へ消えていく熊たちを見送った。


マトゥンがそばへ来て、長く、尾を引くようにうなった。リックはじっと耳を傾け、その眉が少しずつ寄っていく。


「なるほど……」リックは考え込んだ。「東、か……村長の話と合うな。半分だけ、だが」


マトゥンは頭を垂れ、もう一度うなった。今度は短く、こもった声で。リックの肩がかすかに落ち、彼は振り返った。草原のはるか向こう、街を残してきたほうへ。


「あの娘のことは、何も聞いていない、か……」彼は小さく繰り返した。


風が草の上を吹き抜け、茂みの中で、枝の折れる音がやんだ。リックは友の頭を軽くなでてやり、一行はふたたび目的の地へ歩き出した。


草はますます高くなり、硬い茎が肩を打つ。やがて、前がほとんど見えなくなった。マトゥンが先頭に立ち、胸で草むらを押し分けながら、皆を導いていく。


草むらを抜けると、積み重なった巨岩の壁に行き当たった。一行はゆっくりと、一歩ずつそれを乗り越えていく。足もとから岩くずがさらさらとこぼれ落ち、やがて前方に洞窟の入り口が開けた。その大きさに比べれば、彼らは蟻のようだった。


「ここなら、あの竜の長だって楽々入れそうだな!」驚いたカグツチが声を上げると、その声は低く反響しながら、闇の奥へ転がっていった。


洞窟の奥へは、波打つ溝が幾筋も、互いに交差しながら延びていた。


一行は中へ踏み込んだ。通路は途方もなく広かった。天井ははるか頭上の闇に溶け、両側の壁はひどく離れていて、足音はすぐ静けさに呑まれていく。カグツチの杖頭の結晶が鮮やかな青に輝き、その光の中で、あの波打つ溝が床を這い、奥へと続いていた。


道は下り坂になり、一行はさらに下へ、下へと降りていった。一歩ごとに、空気は温かく、乾いていく。奥からは焦げたにおいと焼けた石のにおいが漂い、壁をときおり赤い照り返しが走った。


やがて両側の壁が大きく開け、一行は開けた場所に出た。そこは、ひとつの街がまるごと収まりそうなほど広い空洞だった。その底で、サラマンダーの群れが休んでいる。どの一頭も、肩の高さでマトゥンの何倍もあった。眠りの中で脇腹がゆっくりと上下し、鼻孔からは、ものうげに細い煙が立ちのぼっている。


カグツチは縁で立ちすくみ、眼窩の炭がぱっと燃え上がった。


「数が多すぎる……それに、本当にでかい」


一行が底へ降りていくと、サラマンダーたちは身じろぎし、飛びのいた。一行は群れのあいだを進み、いちばん大きなものを探す。おびえた獣たちは後ずさり、身をよけながら、恐怖のあまり火を吐いた。カグツチはその炎の舌を手で払いのけ、火はそれて脇へ流れていく。一行は歩みを止めなかった。


奥へ進むほど、熱は増していった。ほどなく、遠くに二つの巨大な体が見えてきた。それもまた休んでいたが、ほかのものより何倍も大きく、その寝息で、上の熱い空気が揺らいでいる。


リックは足を止め、乾いた声で言った。


「よし。長と、そのつがいだ。あれには手を出さない」


もう少し小さいものを探しはじめた、そのときだった。マトゥンが不意に頭をもたげた。一瞬、凍りついたように動きを止める。それから、近くのサラマンダーが飛びのくほどの咆哮をあげ、出口へ駆け出した。


リックはその背中を振り返り、表情を曇らせた。


「ああ、兄弟、急げ! こっちはすぐに片づけて、あとで手を貸す」


そのあいだも、カグツチは群れの中に目を凝らしていた。ふいに、彼が脇を指さす。サラマンダーの群れの中に、親より少しだけ小さい個体が、十頭ほど身をひそめていた。


「あいつらにしよう」リックがうなずいた。


二人はそちらへ駆け出した。サラマンダーたちは火を吐こうとしたが、炎はまるでリックをよけて回りこむように流れ、少しも彼に触れなかった。近くまで駆け寄ると、リックは肩越しに言った。


「よし、慎重にな。傷をつけないように」


力を抜いた手のひらの縁で、彼は選んだ一頭を、続いてもう一頭を、軽く打った。洞窟に小さな衝撃波がいくつも走り、巨体が重々しく岩の上に沈む。リックはそれを珠におさめ、二人は全速力で出口へ駆けた。


洞窟を飛び出したとたん、叫び声と戦いの物音が耳に届いた。二人は草原を突っ切り、マトゥンの足跡を追った。足跡は草のあいだを遠く、茂みのほうへと続いている。熊の足跡は、少しずつ人間のものに変わっていった。カグツチは走りながらそれに目をやったが、結局、何も言わなかった。


茂みに踏みこんだところで、二人は巨人を目にした。巨人はこちらに背を向け、斬り伏せられた何十もの敵のただ中に立っていた。片手に握っているのは、巨大で幅広の両手剣。その刀身には、古く、半ばすり減ったルーン文字が連なっている。そばには傷ついた母熊が横たわり、少し離れた茂みの中で、子熊たちが身を縮めていた。あたりには重い血のにおいが立ちこめ、巨人の肩がゆっくりと上下している。


リックはその光景を見つめた。友の胸のざわめきが、そのまま自分の胸に響いてくる。


「兄弟……」


第二十六章をお読みいただき、ありがとうございます。


旅は道連れ、世は情け。

継ぎはぎだらけの村で一行を迎えた老人と、湯気の立つひと椀のスープ。

火を見つめながら、老人がぽつりと語った昔の話。


草原で道連れになった獣たちと、二頭の子熊を連れた母熊。

街ひとつ収まりそうな洞窟で眠る、サラマンダーの群れ。

そして、マトゥンが不意にあげた咆哮。


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ニック・オッカム

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