謎の体調不良
「ひーなーのーちゃん。はい、取ってきたよー?」
「あ、…ありがとうございます」
そう言って受け取ろうとすると、
「まだ、ダーメ」
と言って鼻先をちょんっとつつかれる。
「は??」
なに?
とってきてくれたんじゃないの…?
ちょっと、いやかなり意味不明な感じかな。
「だってまだそれ飲んでないでしょ?」
「?あぁ、はい」
手元にあったグラスに半分くらい残ってたジュースが気になっていたらしい。
ゴクゴク……
取り敢えず一気に飲み干して、目の前にある桃の良い匂い漂うジュースを早く飲みたかった。
「それ、もう飲んだんでもらえますか?」
「えー?どうしよう」
は?
は?
なになになに……?
「早くくれないと、生ぬるくなっちゃいますので」
「えー?じゃあ、はい」
「あ、どうも」
何がしたかったんだろうと思いながら手を伸ばすと、
「え??」
手を掴まれてしまった。
「あの、離してもらえません?」
「んー?ちょっと無理かなー?」
はぁ⁉︎
何だこいつ!
段々とイライラしてきた私は、さっさと手を振りほどいてその飲み物を取りに行こうと、腕を思いっきりふり払った。
のに、勢い余って、そいつの胸に倒れ込んでしまう。
「あー?こうして欲しかったの?」
「いや、違いますから。離してください」
「だから何回言ってもムリだって」
そいつの胸板をいくら押し返してもビクともしない。
「ちょっと離して」
グラッ
今度はなに?
なんか頭痛い……。
身体がふわふわする…。
何これ??
「どうしたの?」
いきなり抵抗を止めた私を不思議に思ったのか、そいつが声をかけてきた。
「なんか、頭…が……。」
グラリ
やばい、視界が…。
「ちょっと、危なっ」
そいつの腕の中に倒れこむように収まる。
「み…ず」
「え?」
「冷たい水…下さい」
どうしよ…。
吐きそうっていう程ではないけど、気分悪い。
「え、わかった。」
そして、ボーイさんに頼んで水を持って来てもらうことになった。
「大丈夫?」
「あ、はい」
水を飲んだ私は少し落ち着いた。
今は入り口近くの椅子に座っている。
「熱は?ちょっとごめんね」
と言って仮面に手を掛けられる。
「それは…!あ……。」
止めてと言う前に私の視界は開けた。
「え……。」
見られた……。
素顔見られた……。
はぁ…。もう終わった……。
顔が近づいてくる。
鼻にチャラの茶髪の髪がかかった時…。
「っん、ムグッ」
キスされそうになった瞬間、私の口がいきなり誰かの手によって塞がれた。




