チャラ男君の正体
はぁ…
いきなりため息から始まってすみませんね…
なんせ、周りの人たちがうるさくてですねー
とババくさい登場の仕方を思わずしてしまったのも仕方ないと思ってね…。
だって……
「何で私では無いんですの?」
「約束してくださったでしょう?」
「うーん……。でも、抽選は"運" だからね?どうしようも無いんだよね〜」
あえて運 というのを強調した某チャラ男…
私を殺したいのか?
きっとそうに違い無い……。
「どうしたの?眉間にシワ寄ってるけど?」
あ、なんかチャラ男君が話しかけて来た。
どうしよう……。
なんか踊らなくていい方法とか無いのかな…
「もう直ぐ曲始まっちゃうよ?あ、だから君たちはまた後でね?」
ん?また後で?
「えー……ズルいですわ……」
「代わって欲しいですわ……」
代わる??
「うーん…僕と踊りたい子はたくさんいるから……ゴメン「それだっ!」
「 「「え?」」」
その場にいた数人の女子と某チャラ男が振り返った。
「あの、実は抽選は私じゃなくて…この人達だったんじゃないですか?私……場所間違ってたみたいで。」
我ながら白々しい嘘だコレ(笑)
「え?そうだったの?でも君……さっきからずっとここにいたような……「そうだったの?早く言いなさいよ」
「それならば私と踊って下さいません?」
ならば私と、と大勢の女子が集まってきた。
「ちょっ、待って……!」
ふぅ、なんかまだ言ってたけど、とりあえずこれで一安心。
集まってくる女子とは裏腹に、私は逃げるようにしてその場を去った。
ーーーー
はぁ、幸せ……♡
さっきから一転、なぜ乙女のようなハートマークが付いているかというと、抽選のダンスから解放された私はもう自由の身で、チャラ男君と別れた後、私はソッコーで食べ物がたくさん置いてあるパーティなどでよく見かけるビッフェ型式のテーブルへと向かったのだった。
「やっぱ、このオマール海老のスープとか、ローストビーフとか、海藻のマリネとか……
最高だ……!」
なんて、美味しいディナーを堪能していると
「あら?ちょっと?今ダンスの最中のはずではなくて?」
「あ、アヤメちゃん……」
「全くもう、ちょっと見ないうちに……。しかもその、見つかっちゃった……みたいな顔してるの思いっきりばれてますわよ?」
「え、えへ?」
「そんな顔してもダメですわよ?折角裏ワザを使ってあげましたのに……」
「え?でも、最後のチャラ男はいらないと思うんだけど……」
「チャラ男?誰のことですの?」
「だから、あそこで踊ってるあの人だよ」
「……っぷくくく」
アヤメちゃんは失笑した。
「何で笑うの?明らかに見た目からチャラいし……。おまけに女子全員が自分の踊りたいと思ってるナルシっぽいし……」
「ブハッ」
今度は堪えきれなくなったみたいで、盛大に吹き出した。
「?何?何でそんなに笑うの?」
「いや、それでもダンス抜け出してきたのはまずかったのではないですの?」
「え、でも周りからの視線ヤバすぎて踊るに踊れないし、しかもそんなにあのチャラと踊りたかったわけでもないし……!」
なんかチャラ男の扱い雑になってきた…。
「チャラって……笑。でもやっぱりダンスは踊らないとダメですわね……。」
「え?でも他に踊りたそうな子いっぱい居たし、しかも結構マシな嘘ついてきたと思うんだけど……」
と、経緯を説明すると……
「その嘘は面白いですわね…。きっと今頃何で嘘つかれたか考えているでしょうね」
「え?嘘って気付かれてるの?」
「それはそうですわ?だってあの方は生徒会のメンバーで、おまけに副会長なのですからペアの顔の確認くらいもちろんしていると思いますわ。」
「えっと……ちよっとイミガワカラナイかなぁ……」
えっ、ちょっと待って!
あのチャラ男副会長だったの??
いや、そんなはずないよね……。だってあんなのだったらこの学校終わるよね…。
うんうん。
「えっと…自分を納得させようとしているのは分かるのですが、これは事実ですの。しかも、結構なやり手ですのよ?」
「は?いやいやいや……。ちょっと三分くらい待って。頭整理するから……」
その三分後、やっと頭の整理が出来た私はこの事実をまだ信じられないでいた……。




