舞踏会当日!
パチン!
アヤメちゃんが指を鳴らすと何やら綺麗ななお姉さん達が出てきた。
「失礼します」
「え?ちょっと、あの??」
そこらへんの椅子に座らされる。
何やら髪をいじられている。
しかも、今度はメイク道具を持ってお姉さん達が真剣にメイクを私にしている。
しかも、ゴワゴワのメイク道具じゃなくて、とってもふわふわの毛のついた物でほっぺたを撫でられる。
メイク道具のことはよく知らないけど、きっと高級なんだろうと思う。
数分後……
うわー…
メイクとか久しぶりだな…
違和感MAXですな…
「いかがですか?」
お姉さん達に聞かれる。
そんな違和感とか言えるはずもなく、
「あ…ありがとうございます」
とだけ言っておく。
あやめちゃんは私の部屋を勝手に見ていたらしく、お姉さん達が呼びに行った。
「あやめ様、素晴らしい出来です」
「そう?それなら早く見たいわ!」
ーーーーーーー
アヤメちゃんが私を見に戻ってきた。
「ひなた様、こちらをお向きください」
そう言われたので振り返ると……
ぱっちりした目を大きく見開いて固まっているアヤメちゃんがいた。
「ひ、ひ……ひな??」
一瞬、ヒーっと言う悲鳴を上げられたかと思ったが、そうではないらしい。
「え…そんなに変だった?」
プロのメイクさんにしてもらってもダメなの?私って……
「そ、そんな事ありませんわ!」
何故か顔を赤面させて、一生懸命首を振るアヤメちゃん。
「でも、勿体無いですわ…顔を隠してしまうなんて……」
「え?どう言う事??」
「知らなかったのです?抽選の方は仮面舞踏会のように、仮面で顔を隠すのですわ。
まぁ、それはそれでロマンチックですわね」
なんで呑気なことを言ってる。
「でも、誰だかわからなくなるんじゃ…」
「それが良いんですのよ!スリルと言いますか……しかも、それで新しい恋が芽生えるかも知れませんわ!」
「え?なんで?」
「だって誰だかわからないからこそ、運命的な出会いが有るのです!」
「そ、そっか…」
アヤメちゃんの迫力に半ば押されながらも、舞踏会会場、(と言っても学校だが)へと向かう事となった。
ーーーーー
「着きました、あやめ様、ひなの様」
あの、いつかお礼を言われたアヤメちゃん思いの運転手さんに会場まで送って貰った。
「さて、行きますわよ」
「う、うん……」
うん…あんまり楽しみというわけでは無いけど……
「あ!やっぱりダメですわ!」
「え?は?」
いきなりビックリした……
「先に私が仮面を受付から貰ってきますわ!
なのでここで待っていてくださいね?」
「うん、ありがと…」
私は大人しく待っている事にした。
「仮面を下さる?」
「あ、綾様!今日もお綺麗です……。でも何故仮面を?」
「良いから下さる?」
ニッコリと微笑むと、
「は、はい!どうぞ!」
「ありがとう」
はぁ……
貰えましたわ……
きっと、あの子が来ていたら大変な事になっていましたわ。
「無自覚って怖いですわね……」
と呟きながら、車に戻ったのであった。
十分、アヤメちゃんも無自覚だと思うんだけれどね……




