抽選の怖さ…
これは……
紙の左側の男子の名前を書く欄に、柊 千里
と書いてある。
??
もしかして出し忘れたとか?
それとも、間違って私の席に置いたとか?
席近いし……
うん。
取り敢えず千里君の机の引き出しの中に入れておいた。
私はその深い意味も考えずに、そのまま結局家に帰ったのだった。
ーーーー
ピロン
「あ、アヤメちゃんだ」
お風呂上がりの桃ジュースを飲んでいた時、丁度ケータイが鳴った。
[バディは、誰になりましたの⁉︎ ついつい気になって、LI○Eしてしまいましたわ!!]
謎の迫力を感じるが、取り敢えず
[結局、決まらなかったんだ……]
と返事する。
すると…………
プルルルルっ
今度は電話がかかって来た。
「どういう事ですの⁉︎誰か誘ったんじゃありませんの??」
「うーん……みんな断られたんだよ…」
「はい⁉︎そんな事あるはずありませんわ?何かの間違いでは?」
「いや!本当なんだって……」
と訳を話すと……
「それは仕方ありませんわね……。でも、その紙をそのまま机の中に入れたのは……。本当に鈍感すぎますわ!」
「いや……前に家に行った時に気まずくなったし……」
「い、家⁉︎」
「まぁ、知らなかったんだけど……。それはさておき、抽選ってどんな人が応募してるの??」
「それは……まぁ、要するにみんなわずかな可能性にかけるのでわよ……」
「どういう事?」
アヤメちゃんいわく、だいたい人気の男子は抽選にほぼ強制的になるから、その何十分の1 とういわずかな確率にかけて女子達は抽選に応募するらしい。
毎年かなりの数の応募があるらしく、踊れる確率は低いんだとか……
「そっか……」
あぁ……知らない人と踊るのか……
久しぶりで緊張しそう……
「でも、今年は誰かはわからないけどスペシャルゲストも来るらしいですわ!」
「ふーん……」
それよりも知らない人とダンスなんて……
意外と密着するんだよな……
私と密着って……
相手も地味に可哀想だわ……とかいう事を考えていると……
「ちょっと?何一人で落ち込んでますの??今の話聞いてました⁉︎私がせっかく裏ワザを使ってあげようかと思いましたのに……」
裏ワザ⁉︎怪しい響き……
「え……何それ⁉︎」
「もういいですわ……それじゃあおやすみなさい」
ブッ ツーツーツー
「あ……」
そう言って電話は切れた……
裏ワザってなんだろうか……
そうやって気になる気持ちを抑えながら、アヤメちゃんと結構喋って遅くなってしまったので、私は眠りについた。




