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はじめてはキミと  作者: けむけむ〆
36/48

アヤメちゃんの気持ち

フルーツを食べ、その後もアヤメちゃんの買い物に付き合った後、


「あ…その、二人で今日の記念になるもの買うっていうのはどうですの?」


アヤメちゃんがモジモジしながら言う。


「おそろの物?いいよ?」


「お、お揃い……」

(こんなの初めてですわ!嬉しすぎますT^T)


「?それで、何買う?」


「こほん……うーん、では、お揃いの服…


「うん、それは止めよう!」

桁が違うんだから!


「な、なぜですの⁉︎」


「あれにしよう!」

私が指指したのは、ショーケースの外に出されている他の物より安そうなネックレス。


「?これですの??」

そのシンプルで小さなハートの形のゴールドのネックレスはアヤメちゃんに良く似合っていた。


「なかなか良いんですの」

最初はためらいがちだったが、気に入ったようだ。


「あなたも付けてみて、ひ、ひ、ひ…なた、さん」


ひなたさん?


「ひなで良いよ?」


「ひ…な……私耐えられませんわーーー」

と言ってどこかに行ってしまった。


「えっちょっと!」

私がそのネックレスを試着して、ちょっと経ってからアヤメちゃんは帰ってきた。


「ぜぇ、はぁ……ひぃひぃひぃ……」


「??どうしたの?」


「ひぃ……ひ、、な!」


あ……もしかしてこの練習してたの…かな?


「やっと、呼べましたわ!」


「そ、そうだね……?」

呼べたのか?と思ったけれど、そこはあえて口にしなかった。


その後、結局私たちはそのネックレスを買って、ショッピングモールを後にした。




ーーーーーーー

私はふかふかの車の革張りのシートでウトウトしつつある。

思いの外ショッピングで時間が経っていたようで窓の外を見ると、空が赤くなりはじめていた。


コテン

ふと右肩に重みを感じる。


「寝ちゃってる……」

アヤメちゃんはスースーと寝息を立てながら寝ていた。


「こう見ると凄い睫毛長いし、肌も綺麗だな……羨ましいな……」


きっと、毎日きちんとお手入れをしているんだろう。


「ッ…くすぐったい」

アヤメちゃんのサラサラストレートな茶髪が向きを変える度に、私の首に当たってくすぐったい。


「うーん…」

そんなことお構い無しにアヤメちゃんは寝ている。


「西川様、ありがとうございます」


「え?」

車の運転主さんが信号が赤の時に話しかけてきた。


「いえ、この様にお友達をお送りした事も、お友達と遊びに行かれた事もないものですから…」


「えっ?そうなんですか……」

聞いてはいたけど、本当に一回もなかったんだ……。


「てすので、これからもお嬢様の事をよろしくお願いいたしますね」


そう言って、少しダンディーな雰囲気を醸し出しながら、運転主さんは微笑んだ。


「きっと色々、家の事で大変だったんだろうね……まぁ、こんなにお金持ちの家だったらやっぱり、親に縛られるよね……その気持ち分かるなぁ…」


私はしみじみとそう感じた。


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