ここってどこなんだろ…
そこにあったのは、映画館なんだけど……
「何で真ん中のところだけ椅子が無いの?」
「のけさせる事が出来るんだよ。それよりもここに座って早く見ようよ」
こ、これは!
なんと、映画館の中央部だけ一本の道のように椅子がなくなっており、代わりに無印○品に置いてある、あの触り心地の良いクッションがあり、それに背中を付けて楽な姿勢で見られるようになっている。
つまり、家でテレビを寝そべって見るような感覚なのだ。
そのクッションにダイブすると、
「うわぁ!ふわふわなんだけど、低反発でちょうど良い!」
「だよね。僕もここ、大好きなんだ」
きっと小さい時からここに来てたんだろうなぁ……
うらやましい…!
「それより、先輩何見る?やっぱりホラーかな?」
「え…やだよ……」
一人で家に帰ったら、なんか出てきそうだしね…
あと、お風呂怖いし……
「そっか…じゃあ、ホラーにしよ!お願いしまーす」
「えぇっ……」
あーあ……今日は寝つき悪いの決定…
3、2、1、
あ…もう映画が始まるカウント始まっちゃった……
チャラリラー
え?
ホラーなの?これって……
ヒ○イン失格って、少女マンガ原作の、恋愛映画じゃ?
「唯君?どういう事??」
「うん?こう言う事だけど?先輩こう言うの嫌いなんでしょ?」
と、そっぽを向きながら言われる。
そんなの全然説得力無いよ……
「ありがと!唯君」
そう言うと、
「先輩って、M?」
「違うし。とにかくありがと!」
「う、うん…ほら、映画始まってるよ、先輩」
と言って映画に集中してしまった。
こう見えて、結構不器用なんだな……
もしかして、いや、もしかしなくても、ツンデレなのか?
そして、ポップコーンが美味しかった……!
チャラリラー
エンディングが流れている。
「終わったね。すっごくきゅんとした!」
「先輩ってそう言うの無いかと思ってた」
「失礼な!私だって乙女心くらいあるよ!」
「ごめんごめん、でも良かった……」
ん。何が?
と聞き返そうとした時に、
「じゃあ、ご飯食べよっか!」
と言われたので、聞き返すタイミングを逃してしまった。
「どこで食べるの?何食べる??」
映画でテンションが上がった私は、現在ハイテンションなのだ!
ピザとか?それとも、お寿司とか⁉︎
「先輩テンション上がってる?」
「うん!上がってるよ?って言うかどこでご飯食べるの?」
「じゃあ、出よっか」
と言って唯君と一緒に、映画館を出る。
バイバイ……ふわふわクッション 泣
防音の扉を開けると、
ん??
なんでこんな内装なのかな…
映画館って、チケット売り場とか、売店的なところでポップコーンとか売ってるんじゃないの?
しかも、人いないし……
そこは、映画館っぽくなく、まるで高級ホテルの様な造りになっていた。
白い大理石に、ピンクのユリや、華やかな生け花が置かれている。
本当に映画館なの?
「ここでご飯食べるんだよ」
そう言って、唯君は大きな白い扉の金色の取っ手に手をかけて、扉を開けた。
「えっ?」
そこは、レストランなどではなく、大広間だった。
ここってどこなんだろ……




