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はじめてはキミと  作者: けむけむ〆
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千里side short story 1 〜第一印象〜

最初に僕が彼女と話したのは、隣の席で彼女が話しかけてきた時だ。


「あの、これからよろしくお願いします」

確かこうやって話しかけられたと思う。


基本的に話すのが嫌いな僕は聞こえないフリをしていた。

しかも、噂の転入生だ。

僕ははっきり言って、他人に興味はなく、途中から入って来た奴といった認識しか彼女には持てない。


「あのー、これから、よろしく、お願いします」

すると、さっきよりも大きな声で話しかけられる。


面倒くさい。


「残念だが、僕は君とも、誰ともよろしくするつもりはない。だから、僕に構わないでくれるか。」


そう言うと、彼女は一瞬驚いたような顔をして、それから少しムッとした表情で授業を聞いていた。


教室は彼女を馬鹿にしたような雰囲気や、笑い声に包まれた。


「五月蝿い…」


「はぁ……」


そして、隣から盛大なため息が聞こえてたのだった。



そして何故か、隣はウトウトしている。

まぁ、僕には関係ないが…


「西川さん??」

先生が気づいた。

この先生は、良くエコひいきする先生で、成績の悪い生徒にはとことん厳しい。


彼女はそれのターゲットにされてしまったようだ。

まぁ、自業自得だろう。

先生は難しい問題を集めた、通称 難問地獄帳 を開き、黒板に問題を書き始めた。


「西川さん?この問題を前に出て解いて下さいね?」


彼女は苦笑いしながら前に出る。

解けるはずがないだろうと周りも、僕もそう思っていた。


カッカカッカ


彼女がチョークをはしらせる音だけが聞こえてくる。


どれくらい経っただろうか……

延々と書き続ける彼女を見かねた先生は、


「まだかしら?西川さん?」

なんて、白々しく聞く。

先生も、きっと解けるはずがないと思っているのだろう。


「あと30秒下さい」

彼女はそう言って、黒板ギリギリのところまで計算式を書き続けた。


カッ。

彼女のチョークの音が止まった。

どうやら書き終えたらしい。


解けると思っていない先生は、

「じゃあ、間違い探しから行くとしましょうかね。先ずは答えは…………


と言って止まった。


「先生、早く間違えを指摘してあげてくださいよー?」

とクラスの女子が言う。


僕が黒板を眺める限り、間違いは無い。


「凄い……」

思わずそう呟いていた。


先生は青ざめながら、

「いえ、ま、間違ってないわ。正解よ、西川さん…」


一気に教室の雰囲気が変わる。

響いているのは、彼女が席に戻るまでの足音だけだった。


僕はそれから、彼女の事が気になり始めたと思う。

これは恋愛感情などでは決して無い。

僕は知らないうちに、彼女を見下していた。

それを謝ろうと、彼女を見るとよほど眠かったのか机に突っ伏していた。


取り敢えず、

「すまなかった」

と聞こえるか聞こえないかの声で言うと、


「えっ?」

とビックリした様子で起き上がった。

僕がそんなに性悪な人間に見えたのだろうか

と思いながら、もう一度謝ると、


「いえ、大丈夫です。全然気にして無いので」

と、少しイラッとした感じで言われた。

僕はそんなことよりも問題の解き方を聞きたかったので、聞いてみると、さらさらっとわかりやすく説明してくれた。

お礼を言うと、ビックリした顔をする。

やはり僕はよほど嫌われていたらしい。


すると、彼女は

「あの……良かったらですけど、LI○E交換しませんか?もし授業とか、問題集とかわからない問題があったらお互い共有出来ますし……」


僕はやってないと答え、メアドならいいと答えると、


「本当ですか?やった!」

と嬉しそうに言う。

メールが面倒くさそうになるなと言って少し後悔したが、


「あのー……私が問題を教える代わりと言ってはなんですが、この学校の事を私に教えてくれませんか?」


彼女は取り敢えず学校をの事を教えてくれる人が欲しかったらしい。

今までの女子とは少しタイプが違い、接しやすい。


「ダメですか?」

と不安そうに聞き返してくる。

僕は気づかないうちに笑っていた。

久しぶりに人前で笑顔を見せたと思う。


彼女は何故か顔を赤くしていた。


夜にメールをくれる約束をして、家に帰る。

僕は少しドキドキしていた。

これがなんだったのかは未だわからない。

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