今日の僕は機嫌がいい 〜唯 side〜
これは番外編と言いますか、唯目線の物語です。
最初、先輩に出会ったときは、ただ単に何か暇つぶしになるかも。
と思っているだけだった。
だから、とりあえず会話するキッカケを見つけて、弱みを握ろうと思った。
「ハァ、転入初日からいい趣味してるね」
偶然出くわしてしまったのだろうが、覗いたらダメだろうという事を少しキツめに言う。
案の定、先輩は困った顔をする。
そして、顔を近づけると……
「えっ⁉︎」
驚いた顔をして、それからすぐに頬を赤らめる。
イケる。
そこで、僕はそう確信した。だから、
「先輩、僕と付き合ってくれない?」
と、告る。
「は?????」
っという素っ頓狂な声を出して、何やら考え込む様子だったが、
「はい。わかりました。先ほど見てしまったお詫びもかねて……」
やっぱり、真面目そうに見えても、僕の予想通りだと思っているとすぐに、予想外のことが起きた。
「で、何処に行けば良いんですか?出来れば安上がりな所でお願いします。お金持っていない貧乏人なもので……」
「は?????」
今度は僕が、その素っ頓狂な声を出す側になってしまった。
告白が伝わってなかったってこと?
どんだけ鈍感なんだ……
そう思うと、笑いが込み上げて来た。
半ギレ状態の先輩がこちらを睨んでくる。
それを見るともっと笑いが止まらなくなる。
「先輩、お腹痛い……ッ」
と笑い続けていると、先輩は呆れ顔でどこかへ行こうとする。
このままだったら本当に置いて行かれると思って、
「逃げようとしても、ムダだよ?しかも、さっき盗み聞きした事、忘れてないよね?」
なんていう強気な発言をしてみる。
すると、
「忘れてませんから。じゃあ、私授業出ないといけないので、あと、あなたも急いだ方がいいんじゃないですか?」
と、本気で嫌そうな顔で言われる。
すぐに落とせると思っていた先輩は、他のケバい、媚び売ってくるようなつまんない女とは違うと思った。
だから、
「明日1日先輩は俺に付き合ってくれれば今日の事はチャラって事にするよ」
先輩ともっと話してみたいと思って、確実な手段をとった。
先輩は、しぶしぶだろうが、了解してくれた
今日の僕はとても機嫌が良い。
明日が楽しみで仕方がないから。




