第9話 殲滅任務
「神城、今の見立てではどうだ?」
霧島はターゲットから目を離さず俺に話しかける
「今は《A》が2人、《D》が1人って感じだ。おそらくダブルはいない」
俺はフィールド外での能力でターゲットを観察する。
「わかった。おそらく2人が上位者だな。そちらは私が対処する。お前はもう1人を頼めるか。」
「OK」
とは言いつつ、心臓の鼓動がうるさく、視界が狭まる。
3人組のターゲットが人がいない場所に入った瞬間に霧島が言う
「公安だ!能力の違法使用の罪で逮捕する!何もせずに大人しくしろ」
「な!公安!」
ターゲットは驚きながらもフィールドを発動する。
世界が一瞬歪み
全員の順位が表れる。
《350》《326》《1324》。 そして《103》
俺には《999999》
霧島は大太刀を顕現し上位者2名と戦闘を開始する
俺は能力を使い目の前の男の順位が850のままを確認して少し安堵する
「お前、本当に公安か?めちゃくちゃよえーじゃねえか!そんな順位のくせしてよー!」
男は懐からナイフを出し構える
「逮捕する!」
男はナイフで切りかかってくる。
直線的な動きで躱しやすい。
戦闘訓練をかなり行った俺は下位の登録者には負けないほどに成長していた
何度か躱すと男の呼吸が荒くなる。
焦りが動きにで始める。
突き刺すように真っ直ぐ突っ込んでくる。
最小限で躱し持っていた手を取り、ナイフを落とさせそのまま地面に倒して無力化に成功する。
能力者用の手錠をかけ連行する。
「確保。よし、霧島は?」
霧島の方を見ると大太刀の下に2人が気絶している。
こちらの動きを見ていたようだ。
「さて、後処理は3課に任せよう」
3課は逮捕者、戦闘の後処理専門部隊である。
よほど大規模な戦闘でない限り3課が処理する決まりになっている。
3課は——
俺たち1課でも、詳しく知らない。
1度牧原さんに聞いたら、関わらないでいい。と
それ以上は何も言わなかった。
逮捕者を括り付け連絡をしてその場を後にする。
公安1課に入った俺は霧島とツーマンセルでの巡回を行っていた。
任務は様々あり、基本は二人組での巡回、潜入任務、殲滅任務、遠征任務などがあるが新人である俺は教官である霧島と2人で巡回任務を行っている。
霧島と怪しい人物を発見し俺の能力で順位を仮判定し、違法能力者であれば逮捕、レクトルであれば容赦なく殺害が許可されている。
2人で巡回を始めて1週間になるが先ほどの戦闘で10名以上の逮捕を行っている。
意外にもレクトル以外にも上位者がおり能力での違法、違反があるらしい。
一般人にはフィールドも分からないため、犯罪として蔓延しているらしい
そういうのを取り締まるのも公安の仕事である。
本部に戻ると鷹見さんに呼び出される
「ご苦労様です。霧島さん、神城くん」
「お疲れ様です。」
「この1週間でかなり手柄を挙げてるそうですね。能力者は一目では分からないですからやはりあなたの能力は素晴らしい。」
「あ、ありがとうございます!」
「2人を呼び出したのはそれだけじゃない。レクトルの小規模のアジトを発見したと2課から報告を受けた」
2課は潜入、情報収集専門の部隊だ。
「神城、霧島2名ともう1名、」
「失礼します。」
「牧さん!」
俺は嬉しく思わず声をあげる
「改めてこの3名でのアジト調査、レクトル能力者の殲滅任務を命じます。」
「「「了解」」」
3人での任務に俺は心が舞い上がっていた。
何といっても牧原さんと任務だ
良いところを見せるんだと息巻いていた、
この任務が——
俺の人生を大きく変える事になるなんて、
この時の俺はまだ知らなかった。




