第10話 因縁の再会
「なぜだ!!なぜこれ以上登録できない!」
研究室に、怒号が鳴り響く
「私の理論は完璧なはずだ!なぜ!何が足りないんだ」
研究室の器具、薬品が床に散らばる
「くそ!くそ!後少しなんだ後少しで世界は...」
「大丈夫?お父様」
背後から、心配そうな声が聞こえる。
少し表情を和らげる
「あぁ、すまないな。」
男の目は一切笑っていない。
「あと1ピースなんだ。何が足りないんだ。望。」
ーー俺たちは廃ビルに来ていた。
2課の情報をもとにレクトルの小規模アジトがある廃ビルに捜査に来たのだ。
「霧島、神城俺の後ろから離れるなよ。特に神城。
レクトルのアジトだ。どれほど上位がいるかも分からない。」
「了解」
「万が一俺より上位がいてどうしようもない場合すぐに1課に応援要請を。」
「了解」
「よし。それじゃあいくぞ!」
ゴーサインと同時に廃ビルに潜入する。
中は広く、古びた様子もない。
俺は目を凝らして周囲を確認する。
世界が一瞬歪んだ。
フィールドが展開される。
「公安だ。レクトル全員に告ぐ。投降しない場合、命はないと思え!」
牧原さんがビル中に聞こえるほどの大声を上げる
「ようこそ。公安特殊対策本部第1課牧原さん。」
少し狂気に満ちた顔をしている。手には星のタトゥーが入っている。
順位が——見えない。
俺の目には、《???》としか映らない。
「湊!!」
「お久しぶりですね、牧原先輩。奥さんは……元気ですかぁ?」
牧原さんが真っ直ぐそいつの元に突っ込む
「お前だけは、俺が殺す」
「牧原さんこっちですよー」
男が上の階に逃げ牧原さんが追う。
「霧島、神城他の奴らを頼む!俺はあいつを!」
「了解!」
嫌な予感がしていた。
牧原さんの心配をする暇もなくレクトルが次々に出てくる。30人近くはいる。
順位はそれほど高くないが上位者も何人かいる。
「神城、上位者は私がやる。雑魚どもはお前に任せるぞ」
「おう!」
霧島は大太刀での戦闘スタイル、俺は徒手空拳とナイフ、そして銃を持っている。
ナイフと銃は訓練では意外と使えて驚かれたがすごくうまいわけではない。
上位者が霧島の方に向かい下位は俺に向かってくる。
どうやら相手も同じ戦法のようだ。
「1000位以下でもお前みたいな小僧は簡単に殺せるんだよ!!」
数人が刀、ナイフ、を持って襲いかかってくる
部隊ではなく、有象無象の集まりだ。
足並みは全く揃っていない。
俺はすぐさま銃を取り出し少し遅れて出てきた何人かの手足にヒットさせる。
そして向かってくるナイフ、刀を躱す。
武器を持つ手に、力が入りすぎている。
同じ下位の小僧1人相手に焦りが出ている。
1対多数の対戦も訓練済みでまずは被弾しない。組まない。基本はヒットアンドアウェイだ。
それを繰り返す。数を減らす。そのためには相手の銃や能力での飛び道具を特に警戒する。
最初に撃たれた奴が脚を押さえながら構えている。
「くらえ!」
バンッと銃の音がする
構えが見えていたので、回避は間に合っている。
乱雑に撃たれた球が、脚を掠めた。
掠った箇所に熱を感じる。服の少し焦げた匂いも。
この状況においてそんなものに構っている暇はない。
すぐさま撃ってきた敵を一撃で仕留める。
「こいつ、上位者じゃねえくせに強ぇ。」
そのまま10人ほどが残った。俺は上位者ではない。この人数にで連携されると、対処できない。
だがすでに倒れている奴らを見て尻込みをしている。
こうなると上位者を頼るために霧島の方を確認する。
俺も霧島の方へ視線を向ける。外傷は一切ない。
「これはどうだ!」
男から火の玉が飛ばされる。
こちらにも感じ取れるほどの熱気。
霧島は簡単に受け止める、いや斬った。
霧島の対面には
上位者が5人。そして非能力者が10人程。
「103位も、この人数じゃ大した事ないな」
「舐められたものだな。心配事をしているだけだがな」
俺の方を見て合図をする。
俺はタイミングを図る。
「さて、面倒だ。全部片付けるか。」
——今だ。
俺は地面に伏せた。
「一閃」
世界が切り裂かれた。
斬られた奴らは一瞬理解できない。
「行くぞ、神城」
大太刀をしまい。何か言いたそうだが、先を急ぐ
「お、おう。」
俺が戦えるの確認してから一掃しやがってこの野郎。
口からは出さず視線で訴える。
霧島は何のことだかと先に進む。
俺たちは牧原さんの後を追った。
上では戦闘音がしない。嫌な予感に額に汗をかく。
無事でいてください。牧原さん!
2人は階段を駆け上がる。




